白造紙の巻名目録
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「源氏物語巻名目録」の記事における「白造紙の巻名目録」の解説
現在内容を確認することの出来る成立時期の最も古い源氏物語の巻名目録は、故実書の一つ『簾中抄』の異本とされ、正治年間(1199年~1201年)ころに成立したと見られる「白造紙」に含まれているものである。この巻名目録は現在とほぼ同じ源氏物語の巻名の存在を確認出来る最も成立時期の早い史料でもある。本書の現物そのものは高野山に伝来していた物を東京帝国大学文学部国文学研究室において調査中に関東大震災によって焼失したが、その前に撮影された写真によって現在でも内容を調べることが出来る。この巻名目録は、以下のような内容になっている。 詳細は「白造紙#源シノモクロク」を参照 この目録は以下のような特徴を持っている。 「若菜」は上下で1帖に数えている。 「雲隠」を1帖と数えている。 並びの巻は現行のものと同じような名前があげられているものの、巻数は本巻と一緒に数えられている。 「鈴虫」が二重に含まれていて逆に「夕霧」が存在しない。 「空蝉」・「夕顔」と「帚木」、「竹河」と「紅梅」など幾つかの巻序が現在の順序とは逆になっている。 「橋姫」を現在では異名とされる「優婆塞」と呼んでいる。 宇治十帖の巻々については「ウチノミヤノ」として改めて1から巻数を数えており、夢浮橋のあと「コレハナキモアリ」と記している。 宇治十帖の後に「コレカホカニノチノ人ノツクリソヘタルモノトモ」と記している。 最後に「サク(ラ)ヒト サムシロ スモリ」といった現存しないが古系図や古注釈にしばしば見える巻名を記している。
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