源シノモクロク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/10 19:57 UTC 版)
『源氏物語』には、しばしば単独の文書として、あるいは注釈書、梗概書、古系図の一部として、写本の冒頭や末尾に巻名をその巻序に従って並べて記した文書が存在しており、これを「源氏物語巻名目録」呼んでいる。この『白造紙』は、「音楽」の次の条に流布本の『簾中抄』には含まれていない「源シノモクロク」と題された『源氏物語』の巻名目録を含んでいる。この「源シノモクロク」は、現在では写真版でしか確認できないものの、具体的に内容を確認できる『源氏物語』の巻名目録としては最古のものである。この巻名目録は誤記・誤写と思われるものも少なからず含んでいるが、次のような特徴を持っている。 おおむね現在の54帖と同じような巻名を現在と同じ順序で記している。 「若菜」は上下で1帖に数えている。 「雲隠」を1帖と数えている。 並びの巻は現行のものと同じような名前があげられているものの、巻数は本巻と一緒に数えられている。 「鈴虫」が二重に含まれていて逆に「夕霧」が存在しない。 「竹河」と「紅梅」など幾つかの巻序が現在の順序とは逆になっている。 「橋姫」を現在では異名とされる「優婆塞」と呼んでいる。 宇治十帖の巻々については「ウチノミヤノ」として改めて1から巻数を数えており、夢浮橋のあと「コレハナキモアリ」と記している。 宇治十帖の後に「コレカホカニノチノ人ノツクリソヘタルモノトモ」と記している。 最後に「サク(ラ)ヒト サムシロ スモリ」といった現存しないが古系図や古注釈にしばしば見える巻名を記している。
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