発掘・研究活動の継続
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新安沈船の発見は、韓国の水中考古学が発展するきっかけにもなった。単一の遺跡としては韓国史上で最大の発掘量となり、韓国は宋元代の陶磁器の最大の保有国にもなった。1994年には、研究の拠点として木浦市に国立海洋遺物展示館が設立された。海洋遺物展示館では保存処理をした船体の部材の組み立てを始め、復元作業も進められた。 新安沈船が調査中だった1983年、同じく全羅南道の莞島郡にある薬山面漁頭里島の沖でも沈没船が発見された。この船は高麗青磁が30000点近く積まれており、11世紀末から12世紀に海南郡の山二面珍山里で作られたことが判明した。南方の慶尚南道に陶磁器を運ぶ途中で沈没したとされる。こうした発見によって、さらに西海岸や済州島での調査が活発になった。1995年には全羅南道務安郡の道里浦で14世紀の象嵌青磁が発見された。2002年には全羅北道の十二東坡島で高麗前期の船、群山市沃島で高麗時代中期の陶磁器が発見された。 それまでの潜水作業では海軍の協力を得ていたが、国立海洋遺物展示館は潜水の専門家の養成を行い、2003年から水中発掘課が設立された。これ以降は、国立海洋遺物展示館による独力での発掘や保存が可能になった。2007年には忠清南道泰安郡の大島沖で22000点におよぶ大量の高麗青磁が発見され、2002年発見のものと同様に開京へ運ばれる予定だったとされる。2008年までに14カ所の遺跡で中国船2隻、高麗船6隻、遺物が約88000点発見され、海洋遺物展示館は2009年に国立海洋文化財研究所(朝鮮語版)へと改組された。2006年には新安沈船の発掘調査開始30周年として、発掘調査船シー・ミュゼー号が建造された。また、2014年にはアジア初の水中調査発掘専門船ヌリアン号が建造された。
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