異なるアプローチ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/15 06:13 UTC 版)
ストリートペーパーの支持者や発行元の間には、ストリートペーパーがどのように展開し何を目標とするかで意見の相違があるとされ、これは「社会変化を提唱するにあたって衝突する2つの考え」が反映されているとみられる。ビジネスとして機能させ、ホームレスを支援するための収益と幅広い読者層を獲得するべきか、それとも幅広い読者層へホームレスや貧困層の「声」を届けるべきかで揺れている。リアル・チェンジの取締役ティモシー・ハリスは「リベラルな企業家」と「ラディカルな草の根活動家」の2つの陣営があると述べている。 1990年代終わりにロンドンを拠点にするビッグイシューが米国に参入する計画を立て始めた時、米国ストリートペーパー発行元の多くは「プロフェッショナルが製作するビッグイシューの商品価値や大衆へのアピールといった点で対抗できなくなるだろう」と懸念を示し、「ビッグイシューはホームレスの声を十分に掲載していない」と述べ、参入に否定的だった。ホームレス問題に投資できる利益を生み出すためにビッグイシューは主流の新聞・雑誌を真似しているのに対し、他のストリートペーパーはお金になる記事よりも政治・社会問題の記事に焦点を当てているため、商業主義的でプロフェッショナルなストリートペーパーと、草の根運動的なストリートペーパーとの間での論争を巻き起こしてきた。ストリートペーパー支持者の中には、ストリートペーパーの主な目的がホームレスの声を届け主要メディアの報道の「空白を埋める」ことだと考えているが、一方でホームレスに仕事と収入を与えることを目的にすべきと考える人もいる。 頻繁に論争になる他の課題として、ホームレスがストリートペーパーの執筆や印刷にどの程度まで参加すべきか、収益を出すためにストリートペーパーは広告を許容すべきかというのがある。このようにケビン・ハウリーはストリートペーパーの仕組みの違いについて要約し、「反体制派新聞、つまり進歩的な社会変化に取り組む出版物としての発行が、多くの読者層を引きつけることができる(もしくは望ましい)」のかと問うている。
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