異なるOSバージョン間の互換性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/26 05:25 UTC 版)
「AppleScript」の記事における「異なるOSバージョン間の互換性」の解説
AppleScript書類のフォーマットは維持されているため、基本的には互換性が確保されている。これまでMac OS X v10.4のインテルCPUへの移行や、Mac OS X v10.7の64ビットへの移行、macOS 11.0のApple Silicon(ARM)移行などOSの基盤の大変革期があったが、AppleScriptそのものについてはほぼ影響はなかった。AppleScriptの処理系そのものの変更が小刻みであったため、15年前に作られたソートルーチンがそのまま使えたりもする。 ただし、AppleScriptだけでなくOSAXや外部のアプリケーションの機能を利用していた場合には、部品ごとに確認が必要となる。 まず、macOS標準添付のアプリケーションの機能がOSバージョンごとに異なる。これらを呼び出す処理を行っている場合にはチェックが必要である。とくに、AppleScriptにOSの機能を提供するために用意されている補助アプリケーションはOSバージョンによって変更されることがあるため、その存在および代替機能を確認する必要がある。一般的に、古いバージョンから新バージョンへの移行は、それなりに手間はかかるものの確認作業レベルで済む。 逆に、新しいバージョンのOSから古いバージョンのOSにScriptを移植する場合には大幅に作業量が増える。古いOSには固有のバグもあるため(Mac OS X v10.5以前は日本語のパスの扱いに問題があった)、それらを考慮した処理に変更する必要も生じる。古いmacOSが動作する実機と関連アプリケーションを用意し、きちんと動作検証や書き換え作業が必要になる。 GUI Scriptingを利用している場合には、メニュー構成やボタンの文字を変えただけで動かなくなる可能性があるため、そもそも異なるOSバージョン間でそのまま動く可能性は低い(ただし単純な修正で対応できる)。 OS X v10.10以降ではAppleScript側が想定するAppleScript処理系のバージョン(≒ macOSそのもののバージョン)をuseコマンドを使って表記できるようになった。 AppleScript versionmacOS versionuseコマンド記述2.4 10.10 use AppleScript version "2.4" 2.5 10.11, 10.12 use AppleScript version "2.5" 2.7 10.13, 10.14 , 10.15, 11.0 use AppleScript version "2.7" 2.8 12.0 use AppleScript version "2.8" また、macOS 10.14以降でサードパーティ製のOSAXが使用できなくなったため、それらを使用しているScriptをmacOS 10.14以降で動かす場合には代替機能を探す必要もある(Cocoaの機能を呼び出したり、shellコマンドの機能を呼び出したりするのが一般的)。
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