田園都市思想の影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 21:31 UTC 版)
当時の販売用パンフレット「新町郊外生活」(30ページ)によると、まず冒頭で、東京の都市中心部の人口集中と居住環境の悪化について10ページを割いて論じている。続いて、郊外に住居を求める田園都市の理想を述べている。この中で、明治40年に内務省により編纂された「田園都市」から、各国の田園都市思想や事例を紹介して、勿論イギリスのE.ハワードの思想にも触れていた。物件自体の説明はこの後にやっと出てくる。末尾に、経営地附近略図、経営地図などがある。また、リチャード・セネットやチャールズ・ディケンズの言葉を引用した、全体に格調高いものであった。販売文句としては、マイホーム所有に伴う独立自尊の精神を強調し、趨勢としての地価高騰、更には、1-2割の頭金の他は月賦(住宅ローン)で比較的容易に手に入る点を謳っていた。第1回分譲時の新聞広告によると、キャッチコピーは「郊外生活之新福音」であった。内容としては、文化的設備を施し、都会の利便と田園の趣味とを調和した理想の生活を訴えるものだった。また、雑誌広告記事では、空気がきれいで、庭には樹木や家庭菜園があり、数羽の鶏も飼える静かな田園都市でありつつも、駅前には次々と商店が立ち並び、栄ゆく将来を強調している。
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