田中綱常とは? わかりやすく解説

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田中綱常

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/17 20:25 UTC 版)

田中 綱常(たなか つなつね、天保13年11月21日1842年12月22日) - 明治36年(1903年3月25日)は、幕末期の薩摩藩士黎明期軍人政治家栄典正四位勲三等。最終階級は海軍少将

経歴

薩摩藩出身。維新後陸軍に出仕し、1872年(明治5年)準大尉、台湾出兵にて参軍谷干城に随行。

1877年(明治10年)海軍に転じ、大尉海軍兵学校教務副総裁、海軍省調度局長、兵器製造所長、造兵廠長、技術会議議員、石炭調査員[1]比叡迅鯨艦長、呉鎮守府兵営部長をつとめ、1893年(明治26年)少将に至る。

比叡艦長時代、樫野崎にて遭難したオスマン帝国海軍軍艦エルトゥールル乗組員を母国まで送り届け、オスマン帝国皇帝アブデュルハミト2世より勲章を下賜された(後述)。

1894年(明治27年)日清戦争にて大本営附。戦後、台湾総督府民生局事務官となり、1895年3月より澎湖列島行政庁長官、1895年5月13日台北県知事を務める。1896年(明治29年)9月11日、貴族院議員に勅選され(貴族院勅選議員[2]、死去するまで在任した[3]

日露戦争勃発前の1903年3月25日卒去享年62歳。墓所は青山霊園1-ロ14-10。正面に右から田中家之墓と書かれた納骨堂の形をした墓で、大正11年に建立された。墓誌はなく綱常以外の被葬者は不明である[4]

その他

枋寮東龍宮殿內神像

台湾屏東県枋寮郷にある「東龍宮」には田中が祭神として祀られており、乃木希典、北川直征らとともに、現地住民の信仰の対象となっている。

親族

  • 長男:田中仁之助 - 1876年7月〜没年不詳
  • 二男:田中兵助 - 1879年9月〜没年不詳

    ベルベット石鹸常務取締役[5]

 • 長女:田中富久 - 1867年~1929年6月30日

    樺山喜平次(栃木県足利郡長)妻

    内山小二郎(後陸軍大将)妻

栄典・授章・授賞

位階
勲章等
外国勲章佩用允許

脚注

  1. ^ 『官報』第1393号、明治21年2月24日
  2. ^ 『官報』第3964号、明治29年9月12日。
  3. ^ 『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』135頁。
  4. ^ 田中綱常から田中将軍への人神変質-日本台湾学会 P53
  5. ^ 人事興信録第8版
  6. ^ 申3号大日記 式部寮達 赤松大丞外5名叙位の件」 アジア歴史資料センター Ref.C09110142400 
  7. ^ 『官報』第5098号「叙任及辞令」1900年7月2日。
  8. ^ 『官報』第1933号「叙任及辞令」1889年12月6日。
  9. ^ 『官報』第3861号「叙任及辞令」1896年5月15日。
  10. ^ 『官報』第3751号「叙任及辞令」1895年12月27日。

参考文献

  • 日本図書センター『明治人名事典Ⅱ上巻』1993年、た-60頁、ISBN 4-8205-2002-4
  • 大植四郎編『明治過去帳』第4版、東京美術、1991年。ISBN 4-8087-0119-7。678ページ。
  • 衆議院・参議院編『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年。

関連項目

軍職
先代
松村正命
比叡艦長
第14代:1890年2月28日 - 1891年6月17日
次代
森又七郎
先代
森又七郎
迅鯨艦長
第6代:1891年6月17日 - 12月14日
次代
諸岡頼之
公職
先代
なし
澎湖列島行政庁長官中国語版
初代:1895年3月-1895年6月5日
次代
宮内盛高
(澎湖島庁島司)
先代
なし
台北県知事
初代:1895年5月13日 - 1896年4月1日
次代
橋口文蔵



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