生薬と医薬品
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/12 02:24 UTC 版)
日本において、生薬は、医薬品医療機器等法によって医薬品として扱われるものと、食品として扱われるものの2種類に分類される。前者の製剤化されたものは生薬製剤であり、後者は健康食品である。 日本の医薬品医療機器等法では、生薬も医薬品として扱っており、ヨーロッパでもドイツなどでは医薬品である。一方、アメリカ合衆国では『薬局方』に生薬が収載されているにもかかわらず、生薬から精製した有効成分は医薬品として認めるものの、その原料である生薬自体は医薬品として認めていない。そのため、生薬を指して未精製薬 (Crude Drug) と呼び表したり、民間伝承で用いられる場合などでは「薬用ハーブ (herbal medicine)」と呼び表すことも多い。 日本における公定医薬品書である『第15改正日本薬局方』(2006年)では、生薬と生薬製剤および漢方エキスが「生薬等」に収載されており、『薬局方』に記載された方法で検定したものが医薬品として使用される。すなわち、生薬のすべてが『日本薬局方』で認められているわけではない。 ヨーロッパでは、伝統生薬製剤の欧州指令によって、医薬品として認可されている生薬製剤がある。ヨーロッパでは医薬品と扱われる一方、日本ではサプリメントとして販売されているものがある。 日本では、20世紀からの生薬製剤に加え、日本国外で一般用医薬品として利用されている西洋ハーブの生薬製剤を、日本で一般用医薬品として承認申請する際に、2007年(平成19年)より、海外のデータを利用して承認申請を省略できることが認められた。これにより2011年(平成23年)には、足のむくみを適応とした、赤ブドウ葉乾燥エキス混合物(新有効成分)配合の医薬品が初めて承認された。 また、健康食品として扱われているため外国からの個人輸入も多く、成分や濃度もさまざまであり、ブラックコホシュを調査した例では、近縁種を誤って錠剤にした例も確認された。
※この「生薬と医薬品」の解説は、「生薬」の解説の一部です。
「生薬と医薬品」を含む「生薬」の記事については、「生薬」の概要を参照ください。
- 生薬と医薬品のページへのリンク