生薬「辛夷」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/09 10:21 UTC 版)
コブシやタムシバ、シモクレン、ハクモクレンの花のつぼみを風通しのよい場所または天日で乾かしたものは、辛夷(しんい)とよばれる生薬となり、鼻炎、蓄膿症、頭痛、めまいに効能があるとされる。漢方処方では葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)や辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)に配合される。民間では、1日量2 - 10グラムの辛夷を300 - 400ミリリットルの水で半量になるまで煎じ、1日3回に分けて服用する用法が知られている。蓄膿症や花粉症の鼻づまりに、よく効くともされる。また、乾燥した辛夷を粉末にし、1回0.1 - 0.2グラムを白湯で服用してもよいともいわれている。身体を温める薬草のため、多量に飲むとめまいや充血を起こすこともある。コブシの辛夷は、アルカロイドのコクラウリン、モノテルペンのリモネンやシネオール、フェニルプロパノイドのエストラゴールなどを含む。タムシバの辛夷と異なり、サフロールやメチルオイゲノールなどの芳香族化合物を含まない。東北東部から関東北部のものはカンフルを全く含まないが、東北日本海側から西日本のものはカンフルを多く含む。
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