環境破壊と保護
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/31 17:40 UTC 版)
膠州湾は山東半島でも面積最大の河口海湾型湿地で、湿地総面積は約37平方キロメートルあり、アジア太平洋地域の渡り鳥の重要な中継地・越冬地となっている。鳥類は12目26科156種が確認され、その中でも絶滅を危惧されている種が多く含まれている。 長年の埋め立てにより膠州湾の水域面積は次第に減少している。1928年には560平方キロメートルの広さがあったが、1958年には535平方キロメートル、1971年には452平方キロメートル、1977年には423平方キロメートル、1986年には403平方キロメートル、1988年には390平方メートル、2001年には367平方キロメートル、2003年には362平方キロメートル、2006年には353.92平方キロメートルとなった。 膠州湾の周辺には工場が集積し、汚水の量も増大しており、膠州湾の汚染も日増しに激しくなっている。2000年7月には面積約10平方キロメートルに及ぶ大規模な赤潮が発生した。2002年の調査では、比較的汚染が少ない国家二類海水水質標準を満たしたのは大沽河の河口のごく狭い水域のみで、その他の水域は二類海水水質標準を満たさない汚染された海域であった。 埋め立てで膠州湾の面積が縮小すると、潮流の量も減小し、調節機能が低下したことで海水の汚染はより深刻になった。湿地面積も減り生態環境は破壊され、1960年代の膠州湾河口付近の潮間帯にいた生物種が54種だったものが、70年代には33種に、80年代には17種に減少した。 青島市政府は「環湾保護、擁湾発展」のスローガンを掲げ、工場を膠州湾の沿岸から次第に内陸へと移転させる政策や、埋め立ての制限の厳格化により膠州湾の面積急減を規制する政策をとっている。
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