現代アメリカのスラッシャー映画
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 17:56 UTC 版)
「ファイナル・ガール」の記事における「現代アメリカのスラッシャー映画」の解説
キャロル・クローバーは、「ファイナル・ガール」の概念を1987年の論文「彼女の身体・彼自身」で最初に発表し、これは後に『男と女とチェーンソー:現代ホラー映画におけるジェンダー』と題する1992年の著作に収められた。 クローバーは1960年代から1980年代後半までに製作された大量のホラー映画・スラッシャー映画を網羅的に調査し、それらの多くに共通する物語構造と人物造形を抽出した。クローバーによると、現代アメリカのホラー映画には以下の特徴がある。 殺戮者はわずかな例外をのぞいてすべて男性である。 その多くは性的葛藤を抱え、幼少期の母親との関係で深い心理的な傷を負っている。 殺戮者の大半は人間だが、サメ、カエル、鳥の大群などに変容していることもある。 男の殺害シーンは一般に短時間だが、被害者が女性の場合はクローズアップが多用され、苦痛と絶望感がより克明に描写される。 殺される女性の多くは、美しく、性的に奔放である(不道徳なセックスのあと殺戮が行われることも多い)。 銃火器が殺害の道具になることはほとんどなく、多くはナイフ、斧、アイスピック、クワといった古典的な凶器が用いられる。 そしてクローバーによれば最も重要なのは、こうした殺戮と暴力の物語を生きのびて最後に生還するのが、多くの場合、若く素朴な女性だということである。
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