現代の発展
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/13 07:08 UTC 版)
1934年、ハス・ハイルブロン(英語版)(Hans Heilbronn)はガウスの予想を証明した。同じことであるが、与えられた任意の類数に対し、その類数を持つ虚二次体は有限個しかない。 同じく1934年には、ハイルブロンとエドワード・リンフォート(英語版)(Edward Linfoot)は、類数が 1 の虚二次体が多くとも 10個しかないことを示した(9個は既知で、多くともあと1つだけ)。結果は非有効的であり(計算可能ではないという意味、有効な結果を参照)、残っている体の大きさの範囲を示すことができなかった。 その後の発展として、n = 1 の場合が最初にクルト・ヘーグナー(英語版)(Kurt Heegner)により議論され、モジュラ形式やモジュラ方程式(英語版)(modular equation)を使い、そのような体が9個以外には存在しないことを示した。この成果は最初は受け入れられなかったが、後にハロルド・スターク(英語版)(Harold Stark)やブライアン・バーチ(Bryan Birch)の成果により主張が明確化され、ヘーグナーの成果が理解されるようになった。スターク・ヘーグナーの定理(英語版)(Stark–Heegner theorem)やヘーグナー数(Heegner number)を参照。実質的に同時期にアラン・ベイカー(Alan Baker)は、現在数体の対数の線型形式上のベイカーの定理として知られているものを証明したが、これは(スタークらと)完全に異なる方法で解かれている。n = 2 の場合はその少し後に、少なくとも原理的にはベイカーの成果の応用として研究が進められた。 類数が 1 である虚二次体 Q ( k ) {\displaystyle \mathbb {Q} ({\sqrt {k}})} の完全なリストは、k が以下のものである。 − 1 , − 2 , − 3 , − 7 , − 11 , − 19 , − 43 , − 67 , − 163. {\displaystyle -1,-2,-3,-7,-11,-19,-43,-67,-163.} 一般の場合は、1976年のドリアン・ゴールドフェルド(英語版)(Dorian Goldfeld)の発見を待つことになる。これは類数問題が楕円曲線のL-函数に関連するというものである。これによって、有効な判別式の問題が、L-函数の多重零点の存在を確立する問題に還元される。1986年、グロス・ザギヤの定理の証明によって、与えられた類数を持つ虚二次体の完全なリストは有限回の計算により確定できることがわかった。2004年にワトキンス(Watkins)は n = 100 以下のすべての場合についてリストを求めた。
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