ヒーグナー点とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > ヒーグナー点の意味・解説 

ヒーグナー点

(グロス・ザギヤの定理 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/19 08:58 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

数学において、ヒーグナー点(ヘーグナー点)(: Heegner point)とは、モジュラー曲線上の点であって、上半平面の quadratic imaginary point の像となっているようなものである。ブライアン・バーチ (Bryan Birch) により定義され、クルト・ヘーグナー英語版 (Kurt Heegner) に因んで名づけられた。ヒーグナーは類数 1 の虚二次体上のガウスの予想を証明するために類似のアイデアを用いた。

グロス・ザギエの定理 (Gross & Zagier 1986) は、点 s = 1 における楕円曲線のL関数の微分のことばでヒーグナー点の高さを記述する。とくに楕円曲線の(解析的)階数が 1 であればヒーグナー点は無限位数(したがってモーデル・ヴェイユ群英語版の階数は1以上)の曲線上の有理点を構成するのに使うことができる。より一般に、Gross, Kohnen & Zagier (1987) は、ヒーグナー点は各正整数 n に対し曲線上の有理点を構成するのに使うことができこれらの点の高さはウェイト 3/2 のモジュラー形式の係数であることを示した。

コリヴァギン英語版は後にオイラー系英語版を構成するためにヒーグナー点を用い、それによって階数 1 の楕円曲線に対するバーチ・スウィンナートン=ダイヤー予想の多くを証明した。张寿武英語版はグロス・ザキエの定理を楕円曲線からモジュラーアーベル多様体の場合へと一般化した。ブラウンは正標数の大域体上の階数 1 の楕円曲線の多くに対してバーチ・スウィンナートン=ダイヤー予想を証明した (Brown 1994)。

ヒーグナー点は階数 1 の楕円曲線上の、単純な方法では見つけることのできなかった、非常に大きい有理点を計算するのに使うことができる(サーベイは (Watkins 2006) を参照)。アルゴリズムの実装は、MagmaPARI/GPで可能である。

脚注

参考文献




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ヒーグナー点」の関連用語

ヒーグナー点のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ヒーグナー点のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのヒーグナー点 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS