独自の特許分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2011/07/23 10:55 UTC 版)
国際特許分類が広く世界の国々で採用されるようになってからも、独自の特許分類を定めている特許庁もあり、独自の特許分類が国際特許分類と併用されている。アメリカ合衆国の特許庁ではUSPC(United States Patent Classification)が用いられている。また、国際特許分類を基本に、国際特許分類のメイングループ・サブグループをさらに細かく分けた特許分類として、 ヨーロッパ特許庁のECLA(European Classification) 日本特許庁のFI(File Index) がある。 なお、日本特許庁のFIは、ある分類は国際特許分類第4版のメイングループ・サブグループを細分していて、別の分類は第7版のメイングループ・サブグループを細分している、というような構成になっていて、現行の国際特許分類との対応関係は、対応表によらなければ明らかではない。FI自体は国際分類に比べれば頻繁に改定されており、以前はFIとして発表はされないが特許庁公報(公示号の概ね3月末、9月末の発行号)に国際分類のサブグループの下位に展開される展開記号として掲載されていた。2002年7月以降に付与された分については、改廃データが特許庁webサイト内で公開されている(IPDLのパテントマップガイダンスからのリンク有り)。各種データベース上では、各公報について、タイムラグはあるが公報発行当時の古いFIに対応する最新のFIが付与されている。 日本では、国際特許分類をもとにした独自の分類を定めなければならない事情がある。それは、上記のように、国際特許分類がドイツ、ヨーロッパの特許分類を基礎として発展してきたことに原因がある。国際特許分類は、ヨーロッパで研究の盛んな技術分野については細かく分類するが、ヨーロッパであまり研究されていない技術分野については大雑把に分類するのみである。日本で盛んに研究されているがヨーロッパではあまり研究されていない技術分野では、国際特許分類によって文献を分類すると、一つの分類に多数の文献が集中してしまい、分類として役に立たない、つまり、求める文献がすぐに探せない。 例えば、ヨーロッパでは田植機の需要はほとんどないので、田植機に関する発明もまたほとんどない。国際特許分類では、田植機に関する文献は「移植機械」であって「苗用のもの」としてA01C 11/02という一つのサブグループに分類せざるを得ない。日本では田植機の研究が盛んで、多数の発明があるため、A01C 11/02をより細かく分ける必要がある。そこで、日本特許庁のFIでは、A01C 11/02をさらに多数の小分類に細分している。 日本特許庁は、国際特許分類やFIでは大雑把で検索が不便な技術分野について、それらとは異なる観点からの分類により検索結果の絞込みを容易にするために、さらにFタームという特許分類を作成している。
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