狩野俊介シリーズ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/23 05:23 UTC 版)
1991年の『月光亭事件』以降、2010年までに長編11本(うち1本は二部作)、短編集4本が徳間書店から刊行されている。一部の雑誌掲載短編以外は新書版書き下ろしで、また刊行順に徳間文庫で文庫化されている。2001年には徳間文庫版からの続刊として徳間デュアル文庫から『狩野俊介の事件簿』と『玄武塔事件』が出されたが、結局『降魔弓事件』以降は元の徳間文庫に戻されている。2009年から創元推理文庫(東京創元社)から装い新たに出版されており現在、天霧家事件までが刊行中。長編は『~事件』、短編集は『狩野俊介の~』というタイトルで統一されている。 ただしシリーズ作のうち、短編『神影荘奇談』のみ角川スニーカー文庫のミステリ企画によるアンソロジー『名探偵は、ここにいる』に執筆・収録されたものであり、これに関しては現在まで徳間書店や創元推理文庫によるシリーズ作の通常単行本には収録されていない。ただし『サスペリアミステリー』(秋田書店)にてシリーズ掲載された漫画版(後述)では同作の漫画化作品が執筆され単行本収録されている。 表紙イラストは2004年の『狩野俊介の記念日』までは末次徹朗が担当した。以降、本作のキャラクターデザインに関しては、それぞれのメディアにおける作画者各々のタッチによる差はあるものの、初期のレギュラーキャラクターに関しては基本的には末次によるデザイニングに近いものが踏襲されている。そして2008年の『百舌姫事件』以降の書籍については後述する『サスペリア』漫画版を手掛けた大塚あきらに交代している。この事に関しては『百舌姫事件』の著者後書きにおいて末次の体調不良によるものと説明された。一方、東京創元社から発刊された創元推理文庫版におけるイラストは竹岡美穂が手掛けている。 謎解き以外にも、事件発生前から解決後までの俊介や野上たちの心の動きや、ゲストキャラとの交流にも重点が置かれている。長編は殺人事件を、短編はそれ以外の事件(あるいは事件というほどでもない出来事)を扱っている。 作品の舞台は日本のある地方都市及びその周辺。歴史の長い街で、古い伝説なども多く残っている。年代設定としては20世紀末だが、携帯電話やパソコンなどは登場しない(一昔前の推理小説のような雰囲気にするためらしい)。 作中の時間経過は現実に比べてかなり遅く、『狩野俊介の記念日』でやっと第一作時から1年たったところである。
※この「狩野俊介シリーズ」の解説は、「狩野俊介」の解説の一部です。
「狩野俊介シリーズ」を含む「狩野俊介」の記事については、「狩野俊介」の概要を参照ください。
Weblioに収録されているすべての辞書から狩野俊介シリーズを検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。

- 狩野俊介シリーズのページへのリンク