物理との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/16 10:15 UTC 版)
物理的には (2)+(4) は相対論的な不変性に関連していて、一方 (3)+(5) は理論の量子的性質を示している。 Σ {\displaystyle \Sigma } は物理的な空間を表していることを意図していて (標準的な物理では d = 3 )、 Σ × I {\displaystyle \Sigma \times I} の中の余剰次元は「虚」時間である。空間 Z ( M ) {\displaystyle Z(M)} は量子論のヒルベルト空間であり、ハミルトニアン H {\displaystyle H} を持つ物理的理論は、時間発展作用素 e i t H {\displaystyle e^{itH}} 、もしくは「虚時間」作用素 e − t H {\displaystyle e^{-tH}} を持っている。「位相的」量子場理論は H = 0 {\displaystyle H=0} の時であり、このことはシリンダー Σ × I {\displaystyle \Sigma \times I} に沿った実際の力や(波の)伝播はないことを意味している。しかしながら、境界 ∂ M = Σ 0 ∗ ∪ Σ 1 {\displaystyle \partial M=\Sigma _{0}^{*}\cup \Sigma _{1}} を持ち、 Σ 0 {\displaystyle \Sigma _{0}} から Σ 1 {\displaystyle \Sigma _{1}} の間に介在する多様体 M {\displaystyle M} を通して、非自明な「伝播」(もしくはトンネル振幅)がありうる。これは M {\displaystyle M} のトポロジーを反映している。 もし ∂ M = Σ {\displaystyle \partial M=\Sigma } であれば、ヒルベルト空間 Z ( Σ ) {\displaystyle Z(\Sigma )} の中のベクトル Z ( M ) {\displaystyle Z(M)} は、 M {\displaystyle M} により定義された 真空期待値 と考えることができる。閉じた多様体 M {\displaystyle M} に対して、数値 Z ( M ) {\displaystyle Z(M)} は真空期待値である。統計力学とのアナロジーでは、分配関数と呼ばれる。 ゼロハミルトニアンを持つ理論がなぜうまく定式化されるかの理由は、場の量子論(QFT)への経路積分のアプローチにある。これは相対論的な不変性 (これが (d+1) 次元の「時空」を提供するのあるが) とあいまって、理論が形式的に適当なラグランジアン -つまり理論の古典場の汎関数を書き下すことにより定義される。時間に関しての形式的な第一微分を意味するラグランジアンは、ゼロハミルトニアンを導出するが、ラグランジアン自体は M {\displaystyle M} のトポロジーにハミルトニアンを関連付ける非自明な様子を呈するかもしれない。
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