牛乳瓶の包装
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/01 02:17 UTC 版)
明治時代から昭和初期頃までは、細口の瓶に王冠やコルク栓、または機械栓(気開栓)を用いて封緘されていたが、太平洋戦争後にかけて現在のような紙栓(瓶蓋・牛乳キャップ)が全国的に普及した。 牛乳瓶の紙蓋には開栓のための専用器具が存在し、紙蓋取りあるいは牛乳栓抜きなどと呼ばれる。 ただし、地域によっては紙栓自体にアイスクリームカップの蓋のようなつまみを装備した“耳付きキャップ”も流通していた。昭和30年代 - 40年代には取っ手用のビニールテープを巻き付けステープラーで固定した紙栓も存在しており、この場合は当然紙栓の裏側、牛乳と接する部分へ金属の針が露出し、内部の空気や牛乳と接触することになる。 瓶の口は全体に掛け紙やポリフードを被せて保護していたが、前述の新型瓶の導入に伴い、近年[いつ?]はプラスチック製の嵌め込み式キャップを使用し、さらにビニールのシュリンク処理で封緘する場合も増えてきている。 紙製のフタはめんこ遊びに用いられたり、商品名や成分、殺菌温度、製造社名、住所などの食品衛生法で規定された表示項目が記載され、各社や商品ごとのデザインなどの違いもあることから、コレクションの対象となることがある。希少品としてネットオークションで高額落札されるケースもある。プラスチック製キャップでは何も記載されないか、消費期限だけが印字されるのみで、紙キャップに記載された各種表示項目はビニールのシュリンク部分に印刷されている。 日本では食品衛生法によって、紙パックと牛乳瓶以外への牛乳の充填を認めていなかったが、日本酪農乳業協会などの働きかけにより、2007年(平成19年)3月には食品安全委員会が「適切な条件下で管理される限り、十分な安全性を確保している」と、ペットボトルの食品健康影響評価を厚生労働省に提出した。同年10月に「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」が改正され、ペットボトル入り牛乳の販売が認められたが、封入システム導入コストや、消費者からの衛生面での懸念を理由に、2015年現在日本国内で販売する事業者はいない。ただし、プラスチック製の瓶で販売している企業は存在する。
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