牛乳箱の誕生と現状
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/24 14:23 UTC 版)
初めて牛乳箱を使用したのは、1897年(明治30年)頃の東京・豊島区の「強国舎」とも、1916年(大正5年)から1917年(大正6年)頃の東京・小石川区の「興真舎」とも言われている。当時はまだまだ牛乳が高価だった時代であり、牛乳箱がある家庭は誇らしいものであっただろうとも推察されている。 戦後、牛乳の宅配は牛乳の主要な流通ルートと位置付けられて拡大し、全国の牛乳販売店は1976年(昭和51年)に最多の21,008店となった。大手乳業メーカーや各地の販売店の名称や宣伝文句などが入った牛乳箱は、郵便受けや新聞受けとともに、それぞれの家の玄関先に設置されるのが普通の光景となった。朝、牛乳箱に届けられた牛乳を取りに行くのは子どもの仕事とされることもあった。 しかし、1970年代後半になって、大手乳業メーカーが紙容器を採用してスーパーマーケットなどの量販店が牛乳流通の中心になると、牛乳の宅配は激減した。1970年(昭和45年)頃に牛乳の流通量の約60%を占めた宅配は、1999年(平成11年)には5%程度となっている。牛乳箱を見かけることは少なくなり、街角に残る特に木製の牛乳箱の中には、その役目を終えたまま放置されているものも多い。
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