火星への飛行
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/26 05:26 UTC 版)
予定外の長期間飛行を続ける間、のぞみは深刻な故障に見舞われた。通信機能の大部分は使用不可能となり、現在位置を送信するビーコンと受信機能しか動作しないという状態にまで陥った。また、2002年4月25日から26日の間に、何らかの原因で電源にブレーカーが作動し、ヒーターが作動しなくなったことから推進剤が凍結、軌道変更のスラスター噴射ができなくなった。ISASは十数年に1回起こる強力な太陽フレアの直撃によって電源系統の一部がショート、保護回路が動作し一部システムに対する電源投入が不可能となったと報じた。しかし太陽フレアが起こったのは21日、のぞみに届いたのは22日で、この時にノイズが確認されたが、25日には全て正常に作動していた。そのため、最終的にはフレアが直接的な原因であることは否定された。 通信途絶寸前となったのぞみの状態を知るため、後に「1ビット通信」と呼ばれる通信方法が発案され実行された。それは、のぞみの状態をイエスかノーでのぞみ自身に判定させるコマンドを地上から送信し、それに対してのぞみがビーコンのオンオフだけで回答するという通信方法である。これは一度の通信に30分を要する作業であったが、一応はのぞみの状態を把握することが可能であった。また、ヒーターが作動せず、スラスター噴射ができない可能性があったものの、のぞみが地球に接近し、温度が上昇したため補助スラスター用の推進剤が融けた。そこでスイングバイを行うための長いやりとりの末、2002年12月21日と2003年6月19日の2回にわたる地球スイングバイを成功させた。2回目のスイングバイ後にのぞみの軌道を推定した結果、2003年12月14日に火星から 894 kmの地点を通過することが確定した。
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火星への飛行
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/10 15:22 UTC 版)
2020年7月30日、火星探査車を搭載したロケット(アトラス V)がフロリダ州ケープカナベラルから打ち上げ。打ち上げ後、宇宙船のシステムが最小限の機能のみ動く状態となるセーフモードに入った。これは地球の影に入った際に想定以上機体が冷えたためで、影から出て温度が戻った後に復旧作業が行われた。
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