消えた第三次ベビーブーム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 18:27 UTC 版)
「団塊ジュニア」の記事における「消えた第三次ベビーブーム」の解説
1990年代には、団塊ジュニア世代が壮年期を迎え始める2000年代に「第三次ベビーブーム」を起こすという希望的な予測が立てられ、また1990年代から2000年代にかけては、マスコミや広告代理店が団塊ジュニア世代の人数の多さを当て込んで企業が乱立したブライダル産業やベビー産業などとも絡んで、団塊ジュニア世代の特に女性層をターゲットに、結婚・出産へと煽り立てる様な広告戦略を盛んに繰り返した。 しかし、実際には、出産適齢期である女性20代後半が完全に「失われた20年」に巻き込まれてしまった為、結婚できない者や結婚しても子供を産まない者が増えたこと、価値観や時代の変化に伴い独身を貫くことや結婚はしても子供を持たないという夫婦像が、1980年代後半以降の日本でも定着したことにより、第三次ベビーブームが起こるどころか、かえって2000年から2005年まで出生数が減少するという事態が起きてしまった。 中でも、この世代の人口が集中している首都圏ほど未婚率が高く、出生率も低い。2003年には団塊ジュニアが出産ピークに達したことにより、出生率は僅かに上昇したが、2004年には出生率は再び減少に転じた。2005年には死亡者数が出生者数を上回り、日本の総人口の減少が始まった。2006年には首都圏を中心に一時的に増加したので、出生数も再び上昇したが、翌年以降は三度減少に転じている。 日本国政府・マスメディア・ベビー産業各社が期待した「第三次ベビーブーム」は、長年の不景気と雇用情勢の悪化によって「幻に消えた」ものの、合計特殊出生率は2006年以降2015年まで上昇を続けた。これについて、厚生労働省は、一時的な景気回復などのほか、30代後半に達して年齢的に最後のチャンスと考えた団塊ジュニアの女性が、いわゆる「駆け込み出産」を行ったことをその理由の一つとして分析している。
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