流通と保存
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/09 08:48 UTC 版)
日本では、チチュウカイミバエなどの害虫の侵入を防ぐため、植物防疫法の定めにより熟した状態では輸入できない。このため、輸入するバナナはまだ青い緑熟のうちに収穫して、定温輸送船などで日本に運ばれる。植物防疫法、食品衛生法等の諸手続きを経て輸入通関後、バナナ加工業者の所有する加工室内でエチレンガスと温度、湿度調整によりバナナの熟成を促す(追熟という)。 日本では、他国より輸入されるバナナへのポストハーベスト農薬として、チアベンダゾール(TBZ)およびエニルコナゾール(イマザリル)の使用が許可されているが、使用した場合は表示の義務がある。 黄熟バナナ保存の最適温度は 15 °C 前後(緑熟バナナは 13.5 °C 前後)であり、一時的にでも 13 °C 以下に置かれてしまうと熟成がうまく進まなくなるほか、低温障害をおこし皮が変色する。しかしながら家庭で長期保存するには、購入した時点で熟成が進んでいることが多いため冷蔵庫保管が有利。また、接触により傷みやすいため一般に行われている小売店での陳列とは逆の山型の方を上にして置くか、吊るして保存する。完熟したバナナは冷凍しても凍らず包丁で切ることができる。 バナナやオレンジなどの輸入果実を卸売市場で取引するときの単位は「カートン」であり、バナナの場合は1カートンが13kg(日本国内)である。同じバナナでも、欧米では1カートンが18kgである。 生の黄色い若いバナナを35度のお湯に5分間浸けて置いてから引き上げ、余熱を持ったまま数時間放置すると、その間にバナナ中の酵素であるアミラーゼの働きが活発になり、デンプンが分解され、糖度が格段に上がる。またお湯に浸けることで、バナナ中に抗ストレス物質が生成され、常温で2週間は黒く変色せず、保存性が格段に高まる。
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