流体の構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/24 02:34 UTC 版)
ダイラタント流体は、液体と粒子を混ぜると粒子が最密充填の詰まり方になり、粒子と粒子の間に水があり潤滑剤の役目をして液体のように流れる。最密充填は外からの力に弱く、上の粒子が下の粒子と反発して動かなくなる。 ダイラタンシーは、不揃いの粒子(浜辺の砂やα澱粉粒子)の隙間に液体が入り込んだ物体に剪断応力(ずり応力、ストレス)が与えられるときに膨張することで起こる。これは、液体を満たした不揃いの粒子が、それを摺り合わせる力となる剪断応力によって回転したときに、互いに出っ張ったところが「かみ込む」ことでつっかえて広がろうとする。ところが隙間は液体が充填されているので、この空間を拡張しようとすると液体に陰圧がかかる。この陰圧による張力が粒子を引き寄せる力となり、膨らみながら粘度が増大する現象である。 ダイラタンシーはオストワルド式(冪乗法則)S = k Dn において、剪断応力(ずり速度、または剪断ひずみ)D の指数n が 1 よりも大きい場合を指す。ちなみにn = 1 の場合をニュートン流動(粘性流動)といい小分子の液体の多くはこの性質を持つ。また、n < 1 の場合を擬粘性流動といい、濃度 1 % 以下の高分子の溶液やクリームはこの性質を示す。 なお、片栗粉(古くはカタクリという植物の根の粉末だが、今日ではジャガイモから製される)やコーンスターチの澱粉はグルコースの繊維であるアミロースとアミロペクチンからなる。
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