流体のマイクロスケールにおける挙動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/25 16:11 UTC 版)
「マイクロ流体力学」の記事における「流体のマイクロスケールにおける挙動」の解説
流体は、マイクロスケールにおいては「マクロ流体力学」的挙動とは異る振舞いを占めすことがある。これは、表面張力、エネルギー散逸、流路抵抗などの比率が大きくなり、系を支配しはじめることが原因である。マイクロ流体力学ではこのような挙動の変化を研究し、回避策や新たな応用法を模索する。 小さなスケール(チャネル径およそ100ナノメートルから数百マイクロメートル)では、いくつかの興味深い、ときに直感的でない物性があらわれる。特に、レイノルズ数(流体の運動量による影響と粘度による影響の比を現わす無次元数)が非常に低くなる。このことの重要な帰結として、流れが乱流ではなく層流となることから、隣接して流れる複数の流体が互いに伝統的な意味では混じり合わなくなることが挙げられる。流体間の分子輸送はしばしば拡散にのみ依存することとなる。 化学的および物理的物性(濃度、pH、温度、剪断応力など)を高度に制御できることから、より均質な反応条件を達成することができ、単段もしくは複数段反応のよりハイグレードな生成物を得ることができる。
※この「流体のマイクロスケールにおける挙動」の解説は、「マイクロ流体力学」の解説の一部です。
「流体のマイクロスケールにおける挙動」を含む「マイクロ流体力学」の記事については、「マイクロ流体力学」の概要を参照ください。
- 流体のマイクロスケールにおける挙動のページへのリンク