津波防災の問題点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 00:12 UTC 版)
日本における東北地方太平洋沖地震以前の津波想定は、襲来する津波の想定規模を既往最大(文献資料に残る)と同等としていた。だが地域・年代によっては大津波が正確に記録されて現代まで残されていなかったとみられるほか、津波堆積物の発掘調査や結果の周知も途上であった。このため東北地方太平洋沖地震による津波は「想定外の規模だった」と振り返る人が多く、十分な対応が出来なかった。この事例を踏まえ、2013年に発表された南海トラフ巨大地震の被害想定(第二次報告) では、明確な発生が確認されていない1000年に1回の巨大クラスの地震による津波による被害想定が行われ、最大規模の被害を前提とした防災施策の立案と実施検討が行われる事となった。 都市部では河川敷や河川沿いの低地に避難場所を設定している場合が多いが、避難場所を津波が襲うこともあり得る。大都市は大河川が作った平野にあるので、避難途中の人々が通る道を河川をさかのぼった津波が襲う可能性も指摘されている。 2011年には「津波防災地域づくりに関する法律」が制定された が、イメージ悪化や都市計画への支障を懸念する自治体が多いため、「津波災害特別警戒区域」の指定は全国的にほとんど進んでいない。 また平地が少ない三陸地方では、東日本大震災後も津波浸水想定区域や耐震性に問題がある多くの施設が避難先に指定されている。
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