法貨としての通用制限
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/23 04:05 UTC 版)
金本位制の時代において仮に補助貨幣が法貨として無制限に強制通用力を有するならば、 1. 債権者が実質価値の不足した貨幣のみで多額の債務の弁済を受ける可能性がある。 2. 多量の補助貨幣(硬貨)は授受運搬が困難であるため、債権者が迷惑を被る可能性がある。 3. 正貨で外国に支払を行う必要のある者が、補助貨幣で多額の弁済を受けると外国市場において使用できない。 4. 補助貨幣(硬貨)は主に小額取引の決済の用に供するためであり、その法貨たる資格に制限を加えても流通上何らの支障を来さない。 とされる。 これらの内、本位貨幣制度が廃止された現在では1と3は意義を失っているが、2と4については現在の硬貨についても妥当性を有していると考えられている。 日本においては補助貨幣と呼ばれていた時代の法貨としての通用制限が現在も事実上踏襲されている。現在では日本を含めて各国では補助貨幣(subsidiary coins, subsidiary money)そのものは存在しないが、現在各国において一般に流通している硬貨の法貨(Legal tender)としての通用制限の状況を示すと、日本以外では法貨として無制限通用であることが多い。 法貨としての通用制限額はあくまで強制通用力としての制限であり、支払い側と受け取り側の合意の下ではこの限りではない。
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