沈黙の艦隊計画
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 07:58 UTC 版)
別名SSSS(Silent Security Service from the Sea)。安全保障体制は強制力を持った世界政府を作れば確立することができるが、それだけでは核を廃絶することはできない。核兵器を持った世界の戦略原潜を国家から独立させ、すべての国に平等に核報復力を持たせる計画である。そうすれば地上戦力として核を所有する必要性はなくなり、小国も新たに核開発を始めることはなくなる。アイザック・ネイサンは、これを心理的核抑止と呼び、相互確証破壊のように過剰に核戦力を蓄積するのではなく、SSSSには核軍縮を推し進める効果があると指摘している。しかし、これはシビリアンコントロールに反するため、ベネットは拒否し、逆に核管理の経験が豊富なアメリカに核を集中するように提案している。やまとが当初独立宣言を行ったのも、核戦力を国家から解放、独立させるためである。 海江田はアダムス国連事務総長からSSSSをアメリカに任せるのはどうかと尋ねられた際、アメリカを含む陸上の国家ではこれが不可能としている。その理由はもしある国が核兵器を使い、アメリカがこれに対して制裁の核を打ち込めば、今度はアメリカに報復の核が降り注ぐ。当然このような事態をアメリカ国民は許容せず、結果実際に核が使われてもアメリカが制裁を行うのは事実上不可能となってしまう。 また、海江田はSSSSを自分達が実施する大義名分として、「沈黙の艦隊とは、それ自体が核兵器を用いても、再報復する価値の無い存在」とも語っている。劇中ではアメリカが広島や長崎に核を投下した件について触れられ、ベネットが「やまと」に核ミサイルを発射させようとする狙いについて「これでアメリカは、世界唯一の実戦で核兵器を使った国家という汚名から解き放たれる」と言われており、沈黙の艦隊はこうした束縛の無い存在である根拠となっている。
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