水道水汚染問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 01:41 UTC 版)
「フリント (ミシガン州)」の記事における「水道水汚染問題」の解説
従来、フリント市はデトロイト水道下水局を通じ、ヒューロン湖の水を水源として取水していたが、同局と財政破綻状態のフリント市の管財人との支払額をめぐる交渉が決裂した結果、給水停止を通告された。やむなくフリント市は、市内を流れるフリント川から取水して、2014年4月から市内へ給水を始めた。しかしフリント川の水質に問題があったため、多くが20世紀初期に敷設された老朽化した水道管が腐食し、水道水が錆で茶色く変色したり、異臭がするなどの苦情が急増した。さらに水道管の鉛が水に溶け出し、地区によっては水道水から基準値の数十倍の鉛が検出されるようになった。 現在、同市では6歳から12歳の児童1万人以上が汚染された水道水を使用しており、血中の鉛濃度が上昇したり、皮膚病の症状が現れるなど市民に健康被害が広がっている。飲料水は全国からの寄付により、ペットボトル詰めのミネラルウォーターが無料配布されているが、水道管の更新などの抜本的対策は、財源不足のためまったく目途が立っていない。現在、行政に対する複数の訴訟が進行中で、知事などの責任追及に発展している。また同市に黒人貧困層の多いことから、行政の無策は人種偏見によるものだったとして、事態は人種差別問題に発展する様相を見せている。
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