水素ロータリーエンジン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 00:59 UTC 版)
「ロータリーエンジン」の記事における「水素ロータリーエンジン」の解説
詳細は「水素ロータリーエンジン」を参照 1990年代以降には水素ロータリーエンジンがマツダによって研究開発されている。水素燃料は再生可能エネルギーの一種であり、また燃料電池用の燃料としてのインフラ整備が課題に挙がっている。その水素燃料を容易に転用できる内燃機関のひとつとして、ロータリーエンジンは有望である。これはレシプロエンジンとの比較で、吸気室と燃焼室が分離している上に高温となる排気バルブもないため、過早着火やバックファイアーと言った異常着火が発生しないこと、また大径となる水素インジェクターを、燃焼にさらされずにすむ吸気室上部の広大な場所に設置できること、という構造上の利点があり、さらには水素の燃焼速度は速いため、縦長で扁平な燃焼室形状というロータリーエンジンの欠点が問題になりにくいという相性の良さもあるためである。現時点では高純度の水素を必要とする燃料電池車などと比べても、はるかに現実的な解法である。また燃焼時のすすが少ないためLPGやCNGなどのガス燃料であれば、水素以外でもロータリーエンジンの方がレシプロエンジンよりも有利であるとされる(このうちLPGについては前述のコジェネレーションシステムの実証実験もなされている)。 ただし、LPGやCNGはともかく水素においてはインフラの整備があまりにも局所的であり全国展開の目途が立たないこと、水素の場合において、水素吸蔵合金を使用すれば車が重くなり、高圧水素タンクを使用すれば衝突時に爆発の危険があること、そのどちらにおいても航続距離が短距離に留まることなど、ロータリーエンジンに限らず、水素を自動車用エネルギー源として使用する上で解決すべき課題はまだ多い。
※この「水素ロータリーエンジン」の解説は、「ロータリーエンジン」の解説の一部です。
「水素ロータリーエンジン」を含む「ロータリーエンジン」の記事については、「ロータリーエンジン」の概要を参照ください。
Weblioに収録されているすべての辞書から水素ロータリーエンジンを検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。

- 水素ロータリーエンジンのページへのリンク