気候変動による川の影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/16 03:28 UTC 版)
「インダス川」の記事における「気候変動による川の影響」の解説
チベット高原には、世界で3番目の氷の蓄積がある。中国気象局の前局長であった秦大河は、近年の氷の融解と気温の上昇は短い期間では農業と観光によい面をもたらすだろうと言った。しかし、次のように強い警告を発した。 .mw-parser-output .templatequote{overflow:hidden;margin:1em 0;padding:0 40px}.mw-parser-output .templatequote .templatequotecite{line-height:1.5em;text-align:left;padding-left:1.6em;margin-top:0}は中国のどこよりも4倍の速さで上昇しており、チベットの氷河は世界のどこよりも早い速度で後退し続けている。短い期間ではこれは湖を広げ、洪水と泥流をもたらすだろう。長い期間では、氷河はインダス川に不可欠である。一度氷河が消滅すると、パキスタンの水の供給が危機的になるだろう。 世界銀行の南アジア局上級水アドバイサーのデイビッド・グレイは「インダス川に何が起こるかと言うにはデータが不足している。しかし、気候変動の結果として、氷河が解けることにより、インダス川の流れに影響を与えるかもしれないという恐怖感を持っている。川のない生命がいない砂漠地帯にすむ人々は何を意味しますか。私はこの答えを知りません。しかし私たちはこのことに関心を持つ必要がある。」と言っている。 インダス水系の流量は1990年代から減り始めているとの指摘もあり、農業や生活の苦難を訴える流域住民も多い。パキスタンとインドは1960年にインダス川水利条約を結んでいるが、国土の多くがインダス川流域であるパキスタンでは、インドによるダム建設や意図的な過剰取水が水量減少の原因と疑う抱く国民も多く、紛争の火種になることが懸念されている。
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