民俗資料に見えるエミシ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 02:48 UTC 版)
東北地方に伝わる坂上田村麻呂伝説を始め種々の伝説中に、エミシの族長クラスの名として、悪路王、阿弖流為、大武丸、赤頭の名が残る。 民俗学者・柳田国男はこの「赤頭」について、赤髪か、または赤い顔の事だろうとしていた。柳田は同時にエミシの伝説として、東北人は「赤頭太郎などと称して赤い大人(おおひと)がたくさんに来たと信じていた」というものを挙げていた。この「赤い大人」というのも、赤髪か赤い顔が考えられ、また、大きな人であったという事らしい。さらに、蝦夷の語の「蝦」の漢字はエビまたはガマガエルの意だが、ここから蝦夷を、エビの様な赤い色をした異族とする解釈もある(夷は異民族を指す語)。 一方、エミシは、当時の東北人から鬼と呼ばれていたらしい。例を挙げると、大武丸の生誕地が「鬼生田(福島県)」の地名、討ち取られた首が落ちた場所が「鬼首村(宮城県)」、体を埋められた場所が「鬼死骸村(岩手県)」、エミシの子孫を自称していた安倍一族と政府軍の戦闘(前九年の役)が「鬼切部」という具合である。鬼は、例えば今に残る酒呑童子(しゅてんどうじ)の絵を見れば、髪色は金色か赤色-茶色で、体格も大きく、絵によっては眼も明るい色になっている。そして肌色は赤である。エミシ伝説にまつわる「赤」と「大人」(おおひと)、これらに共通した特徴を持っている事が分かる。 鬼#正体も参照。
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