歴史資料としての考古資料
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/03 14:32 UTC 版)
「歴史資料」の記事における「歴史資料としての考古資料」の解説
佐原眞によれば、考古資料をとくに文献資料と比較した際の特質として、以下の諸点を掲げている。 文献資料には作意を含む非事実が書いてあることもあり、誤字や誤りもおこりえる。それに対して考古資料は「無口」だが基本的に「ウソをつかない」。どんな破片であっても基本的には「ホンモノである」。 古い文献ほど中央側、体制側、有力者側、男性に偏る傾向がある。それに対して考古資料には片寄りがなく、「平等である」。 発見や発掘調査によって考古資料そのものがどんどん「増している」。 自然科学の発達とその提携とによって、花粉化石、細胞化石、寄生虫卵、脂肪酸、DNA、放射性同位体の割合など「目に見えない考古資料も増加している」。 道路建設などの開発行為によって遺跡がどんどん「減少している」。 「考古資料の洪水」のなかで、考古資料全体を把握している人がいない。 くさってしまう有機質遺物や何度も鋳なおされる青銅器・鉄器など、考古資料は全体からみれば「残らないものの方が多い」。
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