歴史的経緯とギザの意味
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/26 01:38 UTC 版)
元々この硬貨は、当時の十円紙幣(A拾圓券)と交換する目的の十円硬貨として当初発行予定だった十円洋銀貨が朝鮮戦争によるニッケル価格高騰の影響で発行中止となったため、洋銀に代わるものとして青銅が選ばれ、当時予定されていた50円銀貨(制定無し・未製造)の平等院鳳凰堂のデザインを流用して制定し、製造発行したものである。 硬貨の周囲のギザ(ギザギザ)は、コインの周囲を削り取って地金を盗む行為を防止する目的で、かつて金貨や銀貨に施されていた刻みをまねたものである。硬貨の縁に刻み目をつけることを考案したのはアイザック・ニュートンだという。銅貨や白銅貨は地金の価値がそれほど高価ではないため、装飾以上の意味はない。このギザは同時代の他の硬貨でも見られ、1948年(昭和23年)から1949年(昭和24年)の五円硬貨(穴なし黄銅貨)、1948年(昭和23年)から1950年(昭和25年)の一円硬貨(黄銅貨)等に存在する。このギザ十は発行開始当時から1955年(昭和30年)8月までは最高額面の硬貨であり、当時流通していた10円のすぐ上の額面である50円の法定通貨は日本銀行券のB五拾円券であった。1955年(昭和30年)の五十円硬貨や1957年(昭和32年)の百円硬貨の登場により、手触りだけでは紛らわしくなったため、1959年(昭和34年)以降の十円硬貨ではギザは廃止され、その後、そのギザなしの現行十円硬貨と区別するため、旧貨となったギザ付きの十円硬貨は俗に「ギザ十」の愛称で呼ばれるようになった。
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