歴史とコンセプト
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「ワールド・デジタル・ライブラリー」の記事における「歴史とコンセプト」の解説
アメリカは約20年間国際連合教育科学文化機関 (UNESCO) から脱退していたが、2003年に再加盟した。アメリカ議会図書館館長のジェームズ・H・ビリントンがアメリカのUNESCO委員会の委員長に選ばれ、2005年6月の就任会議で正式なスピーチを依頼された。A View of the Digital World Library と題したスピーチで、「図書館や博物館などが守ってきた」豊富なコレクションを「無料で、かつこれまでよりも遥かにアクセスが容易な新たな形式で世界に公開する」というビジョンを説明した。 これにいち早くパートナーとして名乗り出たのがGoogleで、2005年にワールド・デジタル・ライブラリーの開発資金として300万ドルを寄付した。 「 誰でも歓迎する。これは会員制クラブではない。誰の参加も歓迎するし、会費はとらない。 」 —ジェームズ・H・ビリントンアメリカ議会図書館 アメリカUNESCO委員会の2006年の年次会合で、議会図書館でのワールド・デジタル・ライブラリーについてのアドバイザー John Van Oudenaren がビリントンのビジョンを実現するためのプロジェクトの概要を説明した。まず説明したのは、ワールド・デジタル・ライブラリーを実現するにあたって主要な4つの分野(技術アーキテクチャ、内容選択、管理、出資)でパートナーを必要とするということだった。2006年12月、45の国立図書館の館長、各図書館の技術担当部長、UNESCOの文化および教育担当者がパリで一堂に会し、ワールド・デジタル・ライブラリーの開発について議論した。その参加者によってプロジェクトの4つの分野それぞれを分担するワーキンググループが結成された。 ワーキンググループは2007年前半に電子図書館関連の専門家(計算機科学者、図書館情報学者、Web開発者)を含めた会合を開いた。2007年7月、ワーキンググループからWDLプロジェクト全体に対して報告が上げられた。そして2007年10月にパリで開催された第34回UNESCO全体会議に報告が提出された。 2008年9月初め、米州機構 (OAS) とアメリカ議会図書館の間でワールド・デジタル・ライブラリー開発について合意がなされた。 2009年4月21日、パリのUNESCO本部にてワールド・デジタル・ライブラリーが稼働しはじめた。
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