歩行者と自動車の場合
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/24 08:45 UTC 版)
「交通事故の過失割合」の記事における「歩行者と自動車の場合」の解説
横断歩道 信号機のない横断歩道、または歩行者側の信号が青のときは、原則として自動車側の過失が100%となる。青信号で横断中の歩行者側に過失が認められることはまずないが、信号のない横断歩道の場合は、夜間や幹線道路、直前直後横断の場合に最大で5~25%程度の過失相殺がなされる場合もある。 逆に信号が赤の場合、歩行者が道路交通法違反を犯しているため、車側がそれを証明できたのなら、逆に歩行者が書類送検、逮捕される可能性がある。 交通弱者である歩行者でも交通違反を犯せば不利になり、車側から請求される可能性があるため、つねに歩行者側が有利なわけではない。 横断禁止の道路標識、または横断を妨げる交通施設(柵)ありでの横断 道路標識に違反して敢えて横断した場合はもとより、歩道や中央分離帯の柵などを殊更に乗り越えて横断を強行したような場合にも過失割合が加算される場合もある。 直前直後横断・佇立・後退 横断歩道であっても、何らかの理由で横断歩道の前後に車両が止まっており見通しが悪い場合の場合には、歩行者側にも状況に注意する必要ありとされて、最大で10%程度の過失相殺がなされる場合もある(交通整理されている場合は対象外)。後退についても、いったん自動車の前を横切り終えたその直後に、再びいきなり後退して自動車の前に戻ってきたような場合には、自動車側の予測可能性が減少するとして、歩行者側に過失割合が加算されることがある。 夜間 自動車が走行中ライトを点灯している場合、歩行者はその発見が容易である。逆に、自動車側からは歩行者の発見が難しい。そのため、歩行者に5%程度の過失割合が加算される場合もある。 幹線道路 車両の通行が頻繁で、車両が比較的高速で走行するような道路を横断・通行する際、歩行者は通行する車両に対し注意を払い、安全を確認する必要が生じる。自動車は、他の道路に比すれば歩行者が横断してくることの予見性に乏しく、また、高速走行していれば回避の余地が制約される。そのため、歩行者に10%程度の過失割合が加算される場合もある。 幼児と身体障害者、児童と高齢者 歩行者がこれらのカテゴリーに該当する場合、行動能力・視野が比較的狭く、そのうえ歩行速度が遅いと当然に推定されるため、自動車側は一層の注意を持って運転すべきである。したがって、被害者がこれらの歩行者である場合には、それだけを理由として、歩行者の過失割合が減算される場合がある。幼児・身障者は20%程度、児童・一般の高齢者は10%程度となる。 集団横断 自動車側からの発見が容易である。そのため、歩行者の過失割合が減算される要素となる。 住宅街・商店街など これらの場所では「歩行者の通行が頻繁である」と当然に推定されるので、自動車側は一層注意すべきである。したがって、歩行者の過失割合の減算要素となる。
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