欧州における動向
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/13 15:16 UTC 版)
「ソフトウェア特許」の記事における「欧州における動向」の解説
一方で、欧州特許条約 (EPC) 第52条第2項においては、「次のものは、…発明とはみなされない。(a) 発見、科学の理論及び数学的方法、…(c) 精神的な行為、遊戯又は事業活動の遂行に関する計画、法則又は方法、並びにコンピュータ・プログラム」と規定があることから、ヨーロッパ特許庁においては、従来よりビジネスに関連するソフトウェアは、特許の対象から除外されていた。この点では、明確に「コンピュータのためのプログラム」は除外されていた。 しかしながら、1998年、欧州特許庁審判部において、IBM審決 (T 1173/97 - 3.5.1 ,1998.07.01, Asynchronous resynchronization of a commit procedure) により、技術的性質を有するコンピュータのシステム自体には、特許可能性があることが結論づけられた。これによって、審査実務において、ヨーロッパ特許庁は多くのソフトウェア特許を認めることとなった。(なお、欧州特許庁では、出願された発明は3人合議体で厳密に技術性の評価がなされ、発明に該当しないと判断されると、第45規則に基づいて、サーチをしない旨の宣言(No Search Declaration)がなされる。) このように、ソフトウェアに一定の技術的性質や技術的寄与があれば、特許になることが結論付けられたこと、また、現行条文の表現が紛らわしいとして、現在では、欧州特許条約 (EPC) 第52条第2-3項を改正し、ソフトウェアを非特許要件から外す旨の改正がすすめられているが、ソフトウェア特許に対する世論の意見は厳しく、欧州委員会が2002年2月に公表した「コンピュータ利用発明の特許性に関する指令」案も3年に渡る議論の末に2005年7月に欧州議会より否決された。
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