権利をめぐる騒動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/17 09:55 UTC 版)
「カメラを止めるな!」の記事における「権利をめぐる騒動」の解説
劇団側の主張 本映画の着想の元となった舞台『GHOST IN THE BOX!』を公演した劇団PEACEの主宰を務めていた和田亮一が、本映画の著作権は自身と劇団側にあると告発した記事が、2018年8月21日発売の週刊誌『FLASH』に掲載された。 和田は本映画の鑑賞当初は「全然別物になっていた」「あの頃作ってた作品がこんな感じで命を与えられてて、本当にうれしかった」と好意的な感想を綴っていたが、8月の拡大公開時より「原案」として舞台名がクレジットされていることについて、あくまで「原作」であると主張している。 映画製作側の主張 製作元のENBUゼミナールは映画公式サイト上で即日声明を出し、ストーリーは舞台と全く別物であり法的に著作権侵害が生じていることはない旨を発表し、監督・脚本の上田慎一郎も自身のツイッターで「舞台から着想を得た上で自身が脚本・監督・編集して作ったオリジナル作品だと思っている」と発言した上で、「和田や劇団側の主張にも耳を傾け、円満な解決を目指したい」と発言した。 なお、上田は製作時の段階で舞台の作家側に快諾をもらった旨を綴っており、公開後も各種インタビューで舞台から着想を得たことを公言している。 『GHOST IN THE BOX!!』のDVD発売中止 和田の権利主張が表に出たのち、谷内田彰久企画プロデュース、梶原涼晴舞台監督のもと『GHOST IN THE BOX!!』の映像化が企画され、映像ソフト用に2018年に舞台の新録が行われた。新録のキャストには布施勇弥らが名を連ね、本映画の主演・濱津隆之がかつてお笑いコンビを組んでいたときの相方である木場光勇も参加していた。なお、公演当時の劇団PEACE関係者はおらず、権利表記は「©2018 RYOUICHI WADA/CINE-C」となっていた。 この映像は同年10月10日にDVDソフトとしての発売が告知され、発売元・cine-c、販売元・アルバトロスより12月5日に発売が予定されていたが、発売予定日の約1か月前に突如として発売の中止が発表された。 発売中止の理由として、販売元のアルバトロスは「原権利者・和田亮一から発売中止の申し入れがあったことに伴い、発売元のcine-cからも発売中止の申し入れがあったため」と説明し、また、発売元のcine-cは「映画との問題を解決してからにする方が良いのではないかと協議を重ねた結果」と説明している。 和解により解決 同年11月30日に和田は自身のTwitterを更新し、本件について日本とアメリカの弁護士チームと共に引き続き協議中であることを報告している。また、上田も翌年1月掲載の日刊ゲンダイの記事内で、本件についてはまだ決着がついていないので一切回答できない旨を述べている。 2019年2月27日、和田亮一と上田慎一郎のそれぞれのオリジナル性を互いに尊重したクレジット表記(共同原作、企画開発協力、Inspired byの3つ)にすることが映画公式サイトにて発表され、和田と上田とプロデューサーの市橋浩治のコメントも掲載された。 これらの都合から、一部のスタッフクレジットが公開時期や媒体によって変更されている。
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