構造用合板を直接打ち付けた耐力壁
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/08 08:43 UTC 版)
「構造用合板」の記事における「構造用合板を直接打ち付けた耐力壁」の解説
木造軸組工法の建築物では、厚さ7.5 mm以上の構造用合板(特類)を、N50釘を用いて外周部・中間部とも150 mm間隔で軸組み(柱・梁・土台)及び間柱に直接打ち付けることにより、壁倍率2.5倍 (=4.90 kN/m) の耐力壁を作ることができる。この際、釘の種類と間隔を守り、釘頭が構造用合板にめり込まないようにすること。なお、梁の出に干渉する部分は、構造用合板を欠き込み、その付近の釘を増し打ちする。 また、枠組壁工法の建築物では、厚さ9mm以上の構造用合板(特類)を、CN50釘を用いて、外周部においては100 mm間隔、中間部においては200 mm間隔で枠組みに直接打ち付けることにより、壁倍率3.0倍 (=5.88 kN/m) の耐力壁を作ることができる。この際、釘の種類と間隔を守り、釘頭が構造用合板にめり込まないようにすること。 構造用合板を直接打ち付けた耐力壁は、筋交いを使った耐力壁に比べ、強度など多くの点で優れている。近年では、外壁面においては、筋交いを省略し、代わりに構造用合板を直接打ち付けて耐震性や耐風性を確保している住宅も多い。また、構造用合板と筋交いの両方を使えばさらに強度を高めることができる。 構造用合板を直接打ち付けた耐力壁と筋交いを使った耐力壁の違い 構造用合板を直接打ち付けた耐力壁筋交いを使った耐力壁 剛性施工精度にかかわらず、釘のガタがないため、剛性が高い。 施工精度が悪いと筋交い両端部のガタがあるため、剛性が低い。 粘り強さ大量の釘が抵抗するため、大変形時も粘り強い。 大変形時には、筋交いが折れたりはずれたりしやすい。 方向性あらゆる方向の力に対し均等に効き、応力分散効果に優れている。 筋交いは圧縮には強いが引張りには弱い。このため、タスキ掛けにしたりV字型に入れたりする必要がある。 腰壁・垂れ壁腰壁・垂れ壁なども有効に働き、さらに強度が上がる。 腰壁・垂れ壁には筋交いを入れられない。 高強度耐力壁さらに多くの釘を打つことで、さらに強度が上がる。 さらに金物補強しても材に割り裂きが発生し、強度は上がらない。 金物の納まり金物は少なく、ホールダウン金物が容易に納まる。 筋交い両端部に筋交い金物やホールダウン金物が輻輳し、すべてを納めることは難しい。 断熱材の納まり壁の中に筋交いがないため、厚手の断熱材を均一に取り付けられる。 筋交いと断熱材が干渉し、特にタスキ掛け場合、断熱材を均一に取り付けることが難しい。 気密性など隙間が少なく、屋外の空気と室内の空気をシャットアウトできるため、気密性・防音性が良い。 隙間からの空気もれが多く、気密性・防音性が悪い。
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