極性_(言語学)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 極性_(言語学)の意味・解説 

極性 (言語学)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/01 04:08 UTC 版)

言語学における極性(きょくせい)とは、言語表現における肯定否定、つまりある陳述(またはその一部)が真・偽いずれであるかという文法上の区別であり、文法範疇の一つである。

表現形式

英語では副詞"not"の有無により否定か肯定かが示される。他の多くの言語でも否定にはこれに当たる否定詞が用いられ(言語により動詞の前、後、あるいは動詞を囲むように接続する)、肯定は無標となる。ただし英語では直説法現在・過去の否定にはさらに助動詞"do"を加えて"do not"にしなければならないという点が特異である。"not"は動詞または文を否定する他に、副詞、形容詞の否定にも用いられる。名詞(句)の否定には限定詞の"no"が用いられる(この"no"を含む文も否定文である)が、日本語にはこれに当たる表現はない。

否定が動詞の変化等により示される(否定法)として示される言語も多い。

「はい」「いいえ」のように、疑問に対する答の文を肯定・否定だけを示す形で言い換える語(Pro-sentence:文代用形)も多くの言語にある(例外もある)。しかしその使い分けは言語によって異なる。否定疑問文に対する肯定の答は、日本語では疑問文を否定する文であるという意味で「いいえ」となるが、英語では文法的に肯定文であるという意味で"yes"となる。ドイツ語やフランス語では否定疑問文に対する肯定の答専用の語(DochSi)を使う。

極性項目

肯定・否定の一方のみと共起する(一致する)語や表現を極性項目(Polarity item)という。例えば英語の"any"、"ever"や、日本語の「~しか」「滅多に」「必ずしも」などは、普通は否定にのみ使われる否定極性項目であり、「必ず」は肯定極性項目である。ただしそれ以外の用法もあり、例えば英語の"any"は、文法的な否定ばかりでなく、否定的な意味の文(あるいは単純な肯定ではない文)、すなわち疑問文、条件文、比較(than)、too...to構文、疑い・意外感を表す語(doubt、be surprised)や限定を表す語(onlyfew)を用いた文などにも広く使える。


「極性 (言語学)」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「極性_(言語学)」の関連用語

極性_(言語学)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



極性_(言語学)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの極性 (言語学) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS