検討されていたルート
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 16:06 UTC 版)
首都圏から神奈川県相模原市付近、山梨リニア実験線を経由し、名古屋に至るまでのルートとして下記の3案が検討されていた。 Aルート:木曽谷ルート (山梨県甲府市付近から木曽谷を経て愛知県名古屋市へ至る大回りルート) Bルート:伊那谷ルート (山梨県甲府市付近から伊那谷を経て愛知県名古屋市へ至る迂回ルート) Cルート:南アルプスルート (山梨県甲府市付近から赤石山脈(南アルプス)を経て名古屋市へ至る直線ルート) JR東海は、距離が短く経済合理性が高いとされる「南アルプスを貫く直線ルートでの建設は可能」とする地形・地質調査結果に基づき、Cルートでのリニア中央新幹線の建設方針を2008年10月21日に固めた。これに対し長野県は1989年(平成元年)の県内合意に基づきBルートによる建設を要望し、Cルートでの建設へは反対を取り続けていたため、リニア新幹線構想が頓挫しかねない場合の状況打開策として長野県を迂回する第4のルートが提案されるとの声もあがった。 Bルート支持・Cルート反対の立場を取ってきた長野県だが、2010年6月の交通政策審議会中央新幹線小委員会では特定のルートへの賛否を明言しない中立方針へと転換した。同年10月20日には、小委員会が「Cルート」(南アルプスルート、直線ルート)が費用対効果などで優位とする試算を発表し、中央新幹線のルートはJR東海が主張していたCルートで事実上、決着した。同年12月に中央新幹線小委員会が出した『中間とりまとめ』では、費用対効果、技術面での評価、環境の保全、地域の意見についてまとめたうえで「以上を総合的に勘案し、中央新幹線のルートとして南アルプスルートを採択することが適当と考えられる。」と結んでいる。これについて長野県は「最終的に国の判断は尊重すべき」としている。2011年5月12日、「南アルプスルートを採択することが適当」とする最終答申をし、同26日には国の整備計画として「赤石山脈中南部」を経由地とする(Cルートでの)整備計画が決定された。 2013年9月、JR東海は『中央新幹線(東京都・名古屋市間)環境影響評価準備書』を公表し、東京と名古屋間のルートと駅の位置などについての計画を明らかにした。
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