検察官による捜査の指示・指揮
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 14:10 UTC 版)
「検察官」の記事における「検察官による捜査の指示・指揮」の解説
検察官は警察官等に対して、一般的指示権、一般的指揮権、具体的指揮権を有するほか、正当な理由がなくこれらの検察官の指揮に従わない場合、検事総長、検事長、検事正は従わない司法警察職員の懲戒の請求を公安委員会に対してすることができる。検察官自身には懲戒権限はない。 一般的指示(刑事訴訟法第193条1項) 検察官が管轄区域の司法警察職員に対し、公訴の遂行を全うするために行う一般的指示である。これは公訴提起及び維持に関わる限度での一般的準則を定めるもので、例えば、捜査書類書式例などが検事総長名で指示されている。これはあくまでも一般的準則を定めるものであり、捜査を監視・監督するわけではない。また、一般的指示により、個々の事件捜査を直接指示することがないよう、昭和28年7月の第16回国会において付帯決議がなされている。 一般的指揮(刑事訴訟法第193条2項) 検察官が管轄区域の司法警察職員に対し、捜査の協力を求めるため必要な一般的指揮である。これは2つ以上の捜査機関が一つの事件を捜査する場合、その間の調整を目的としたものである。同時並行で競合して捜査する場合に、捜査の協力を求めるために必要な範囲で行われるものである一般的な調整権限である。 具体的指揮(刑事訴訟法第193条3項) 検察官が自身が独自に捜査を行う場合に、検察官の責任において司法警察職員を指揮して独自捜査を補助させるものである。補助命令とも呼ばれる。 懲戒・罷免の訴追(刑事訴訟法第194条) 司法警察職員が上記、検察官の指示、指揮に正当な理由なく従わなかった場合、その管理者、懲戒・罷免権者にその訴追を求めることができる。ただし、検察官個人には司法警察職員を処分する権限はない。 「懲戒処分#司法警察職員に対する懲戒手続の特例」も参照
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