東京都に撤去命令を求める行政訴訟
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 15:20 UTC 版)
「国立マンション訴訟」の記事における「東京都に撤去命令を求める行政訴訟」の解説
反対住民は、東京都に対して撤去命令を出すよう行政訴訟を起こした(建築中の建築物につき、高さ20mを超える部分についての除却命令などを発しないことの違法の確認及び、それらの命令を発することの義務付け訴訟)。 2001年12月4日、東京地裁(市村陽典裁判長)では、地区計画条例施行時(2月1日)に根切り工事しか行われていないため工事中とは言えず、建物は(既存不適格ではなく)違法建築に当ると判断されるから、東京都が是正命令を出さないことは違法であるとの判決が出された。 しかし、2002年(平成14年)6月7日の東京高等裁判所(奥山興悦裁判長)の判決では、根切り工事が行われており、すでに着工していたとして、東京地裁の第1審判決を取り消した。最高裁判所へ上告受理申立するも、不受理となり、控訴審判決が確定した(2005年6月23日、下記リンク参照)。 【不遡及の原則】一般に法令の改正等で新たな規制が決められる場合、その規制は工事中(着工済み)の建築物には適用されない(建築基準法第3条第2項の不遡及の原則による。ただし「既存不適格」になるので、将来建替え等の場合に制約が生じる)。一方、建築確認後であっても、工事に着手する前に新たな規制が定められた場合は、これに従わなければならない(規制に従わずに工事を行えば「違法建築」になる)。この裁判では、工事の着手はいつか、という点が争点になっていた。(この部分の解釈は建設省が判断基準を出しており、判例でも確定したため、現在は根切り工事=着手とする解釈が定着している。) 「根切工事」とは基礎を設置するために行う掘削工事を行うことで、整地に伴う掘削とは異なる。
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