東の沢発電所
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/23 01:25 UTC 版)
ダムは高さ70メートルであるが、これは北海道電力が管理するダムの中では最も高い。ダムの洪水吐きにはゲートが存在せず、洪水時には自然に放流される仕組みとなっている。これはダムが日高山脈の奥地にあるためゲートの保守管理が特に冬季には困難であることから、保守管理を簡便化するためゲートレスにしたものである。 ダムに付設される東の沢発電所は最大出力2万キロワットのダム水路式発電所である。発電所に導水される水はコイカクシュシビチャリ川本流の水のほか、合流先である静内川の水も利用される。すなわち静内川最上流部と支流のナナシノ沢に取水堰を建設してそこから取水した水をダム湖である東の沢調整池に導水。調整池よりトンネルを通じて下流数キロメートル先にある発電所へ送る。発電された水は再度トンネルによって高見ダムの人造湖である高見湖まで送られ、そこで放流する。発電所の特徴としては水車や発電機といった発電所の主要設備に電動サーボモーターを2万キロワットクラスの水力発電所としては北海道電力では初めて導入したこと、配電盤の開閉設備にデジタル制御装置を導入したことが挙げられる。何れも無人制御を行うために導入されたもので、本計画において建設された他の水力発電所同様、遠隔操作による無人管理および静内川水系のダム・発電所との統合管理が行われている。 東の沢発電所・東の沢ダムが完成したことにより1956年に着手された岩知志ダム・岩知志発電所(沙流川)以来続けられた日高電源一貫開発計画は、当初計画された11発電所・ダムが全て完成し大きな一区切りが付いた。その後は沙流川水系において小規模な水力発電所である奥沙流発電所や二風谷発電所が1990年代に建設され、現在は沙流川総合開発事業の一環として国土交通省北海道開発局が計画を進めている平取ダム(額平川)の平取発電所が建設準備中となっている。
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