有限体上の楕円曲線とは? わかりやすく解説

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有限体上の楕円曲線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 22:40 UTC 版)

楕円曲線」の記事における「有限体上の楕円曲線」の解説

詳細は「アーベル多様体の数論」を参照 K = Fq を q 個の元を持つ有限体として、E を K 上に定義され楕円曲線とする。K 上の楕円曲線 E の有理点の数(英語版)を正確に数えることは、一般に難しいが、楕円曲線のハッセの定理は、無限遠点含めると、この数を、 | card ⁡ E ( K ) − ( q + 1 ) | ≤ 2 q {\displaystyle |\operatorname {card} E(K)-(q+1)|\leq 2{\sqrt {q}}} と評価できることを教えている。 言い換えると、曲線の点の数は、大まかには、体の元の数の増加具合と同じ増加具合示している。この事実一般的な理論助け借りて理解し証明することができる。局所ゼータ関数エタールコホモロジー参照。 点の集合 E(Fq) は有限アーベル群である。常に、巡回的か、もしくは二つ巡回群の積となる。例えば、 では、 y 2 = x 3 − x {\displaystyle y^{2}=x^{3}-x} で F71 上に定義される楕円曲線72個の点をもち((0, 0) を含む 71 個のアフィン点と無限遠点をひとつ持っている)、その群構造は、Z/2Z × Z/36Z で与えられる具体的な曲線の点の数は、シューフアルゴリズム英語版)により計算することができる。 Fq拡大体上の曲線研究は、Fq 上の E の局所ゼータ関数導入することにより促進された。局所ゼータ関数は、上記のように一般化され級数 Z ( E ( K ) , T ) ≡ exp ⁡ ( ∑ n = 1card ⁡ [ E ( K n ) ] T n n ) {\displaystyle Z(E(K),T)\equiv \exp \left(\sum _{n=1}^{\infty }\operatorname {card} \left[E(K_{n})\right]{T^{n} \over n}\right)} により定義される。ここに体 Kn は体 K = Fq の n 次拡大、つまり Fqn である。ゼータ関数は T の有理関数である。ある整数 a が存在し、 Z ( E ( K ) , T ) = 1 − a T + q T 2 ( 1 − q T ) ( 1 − T ) {\displaystyle Z(E(K),T)={\frac {1-aT+qT^{2}}{(1-qT)(1-T)}}} となる。 さらに、絶対値が √q である複素数 α, β とすると、 Z ( E ( K ) , 1 q T ) = Z ( E ( K ) , T ) ( 1 − a T + q T 2 ) = ( 1 − α T ) ( 1 − β T ) {\displaystyle {\begin{aligned}Z\left(E(K),{\frac {1}{qT}}\right)&=Z(E(K),T)\\\left(1-aT+qT^{2}\right)&=(1-\alpha T)(1-\beta T)\end{aligned}}} が成り立つ。この結果ヴェイユ予想特別な場合である。例えば、 では、体 F2 上の E のゼータ関数である y2 + y = x3 は、 1 + 2 T 2 ( 1 − T ) ( 1 − 2 T ) {\displaystyle {\frac {1+2T^{2}}{(1-T)(1-2T)}}} により与えられる。このことは、次の式に従う。 | E ( F 2 r ) | = { 2 r + 1 r  odd 2 r + 1 − 2 ( − 2 ) r 2 r  even {\displaystyle \left|E(\mathbf {F} _{2^{r}})\right|={\begin{cases}2^{r}+1&r{\text{ odd}}\\2^{r}+1-2(-2)^{\frac {r}{2}}&r{\text{ even}}\end{cases}}} 佐藤・テイト予想は、Q 上の楕円曲線 E を法 q で還元し場合に、ハッセの定理の中の誤差項 2√q が素数 q によってどのように変わるのかについての言明である。佐藤・テイト予想は(ほとんどすべてのそのような曲線対し)、Taylor, Harris & Shepherd-Barron (2006)により証明され誤差項等分分布していることを言っている。 有限体の上楕円曲線は、特に暗号理論大きな整数素因数分解応用されている。これらのアルゴリズムには、E 上の点の群構造がしばしば利用されている。一般の群(例え有限体可逆元からなる群,Fq∗)に適用できるアルゴリズムは、楕円曲線上の点の群へも応用することができる。例えば、離散対数そのようなアルゴリズムである。興味深いのは、楕円曲線を選ぶ方が、体の位数 q(と単位元)を選ぶよりも、高い柔軟性がある点である。また、楕円曲線群構造は、一般にはより複雑である。

※この「有限体上の楕円曲線」の解説は、「楕円曲線」の解説の一部です。
「有限体上の楕円曲線」を含む「楕円曲線」の記事については、「楕円曲線」の概要を参照ください。

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