有限修正
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 02:47 UTC 版)
AICは導出に漸近理論を使っているため、標本サイズ無限を仮定している。そのため、標本サイズが小さい場合(およそ数十程度まで)ではその仮定が成り立たず、偏りが生じる。具体的には、AIC最小化によるモデル決定はパラメータ数を過大に見積もってしまう。これに対する対策を「AICの有限修正」と呼ぶ。 N. Sugiura (1978) は漸近理論を使わない不偏推定量であるc-AICを導出した。 c-AIC = − 2 ln L + 2 k n n − k − 1 = A I C + 2 k ( k + 1 ) n − k − 1 {\displaystyle {\textrm {c-AIC}}=-2\ln L+{\frac {2kn}{n-k-1}}=\mathrm {AIC} +{\frac {2k(k+1)}{n-k-1}}} ここで n {\displaystyle n} はサンプルサイズである。 n {\displaystyle n} が大きくなるにつれてc-AICは、AICへと収束してゆく。 n は小さくはなくても k / n が大きい(1に比べ十分に小さくない)場合には、一致性が成立せず、AICはやはり過大にパラメータ数を見積もる。このような場合にも、c-AICは正しい結果を出す。 ただし、c-AICは漸近理論を使わない代わりに、誤差項が正規分布の一般化線形モデルを仮定している。そのため、それ以外の、たとえば誤差項が二項分布のモデルなどに使うことはできない。
※この「有限修正」の解説は、「赤池情報量規準」の解説の一部です。
「有限修正」を含む「赤池情報量規準」の記事については、「赤池情報量規準」の概要を参照ください。
- 有限修正のページへのリンク