有機化学工業
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/11 05:23 UTC 版)
石油化学工業: ナフサを初めとした石油成分のクラッキングによって得られる低分子量のアルケン(エチレンやプロピレン)、芳香族化合物(ベンゼンやトルエン)を直接の原料とする化学工業。現代の化学工業において、多種の誘導品のプラントと共にコンビナートを形成するエチレンプラントは中核的な存在である。 天然ガス化学工業: 天然ガスの主成分であるメタンを原料とする化学工業。一次製品としてのメタノールから多くの誘導品を製造する。C1化学工業とも呼ばれる。近年では、天然ガスの豊富なアメリカや中東などで、天然ガスに含まれるエタンからエチレンを製造するのが主流となっている。 石炭化学工業: 石炭からコークスを作る際の副生物であるガス(水素や一酸化炭素などを成分とする)やコールタール(芳香族化合物を主成分とする)を原料とする化学工業。アパルトヘイト時代の南アフリカ共和国で経済制裁の影響を受けないよう自国に豊富に産する石炭を活用するために発展した。 高分子化学工業: 石油化学工業や石炭化学工業で得られた低分子(モノマー)を重合させることによって高分子(ポリマー)を製造する化学工業。代表的な製品はポリエチレンやポリプロピレンを初めとするプラスチックである。 油脂工業: 石鹸を製造する際に副生する長鎖脂肪酸やグリセリンそのもの、またはそれらを原料とした製品を製造する化学工業。 精密有機化学工業: 特定の用途にのみに使用される有機化合物(有機ファインケミカルズと呼ばれる。電子材料、塗料、染料、香料、薬品などである)を製造する化学工業。
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