月面をななめドライブ夏の夜
作 者 | |
季 語 | |
季 節 | 夏 |
出 典 | |
前 書 | |
評 言 | なんとも気持が良い。 人類が月の表面に最初にその足跡を付けたのは1969年(昭和44年)のことだった。 7月20日、司令船「コロンビア」の船長ニール・アームストロングとパイロットのエドウィン・オルドリンは、司令船から切り離された月着陸船「イーグル」に搭乗し、米東部夏時間の午後4時17分、船を月面へ着陸させた。 人類史上初めて月面へ足を踏み出したアームストロングが先ず最初に発した「一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類ににとっては大きな飛躍である」という言葉と月面でポーズをとるオルドリンの宇宙服姿は、すでに40年も以前の出来事とはとても思えぬほど鮮やかに脳裏に焼き付いて離れない。 さて掲句、漆黒の闇を突き抜ける勢いでハイウェイを疾駆する作者がいる。眼前に月の光。真夏の中天にぽっかり浮かぶ、地球から最も近いとされ、しかしまだまだ未知そのもののこの天体が醸し出す皓皓たる光は、人々に不思議な幻想を抱かせる。 西洋では月が人間を狂気に引き込むと信じられて来た様だが、いつの間に作者は車ごと月に吸い込まれて声を上げる。 あたかも1971年7月の、アポロ15号計画での月面車ルナ・ローバーが走る姿と二重映しされて、新たな軌跡を刻みつつ作者の背後には月の海が黒々と袈裟がけに横たわる・・・。 同様モチーフの次の句も面白い。 「出身は地球と応へ星祭」 |
評 者 | |
備 考 |
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