最初の単離と分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/23 03:09 UTC 版)
「分子生物学の歴史」の記事における「最初の単離と分類」の解説
タンパク質は、18世紀にアントワーヌ・ド・フルクロワ(英語版)らによって生体分子のクラスとして明確に認識されていた。このクラスのメンバー (albuminoids、Eiweisskörper、matières albuminoides などと呼ばれていた) は、熱や酸などのさまざまな処理によって凝集した凝析したりする性質によって認識されていた。19世紀の初めによく知られていた例としては、卵白に由来するアルブメン (albumen)、血清のアルブミン、フィブリン、小麦のグルテンなどがあった。 イェンス・ベルセリウスの助言のもと、オランダの化学者ヨハンネス・ムルデルはよく知られた動物や植物のタンパク質の元素分析を行った。驚くべきことに、すべてのタンパク質がほぼ同じ実験式、およそC400H620N100O120で表され、それに加えて固有の硫黄とリン原子を含んでいた。ムルデルは彼の発見を2本の論文で発表し、これらのタンパク質には1つの基本的な物質 (Grundstoff) が存在し、それは植物で合成されて消化によって動物に吸収されるという仮説を立てた。早くからのこの理論の支持者であったベルセリウスは1838年7月10日付の手紙の中で、この物質が動物の栄養の主要な物質であるように思われることから、ギリシャ語で「主要な」などの意味を持つπρωτειοςに由来する"protein"という名称を提案した。 ムルデルは、アミノ酸のロイシンなどのタンパク質分解産物の同定を行い、その分子量について 131 という(ほぼ正確な) 値を得た。
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