元素分析とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 化学 > 化学試験 > 化学分析 > 元素分析の意味・解説 

げんそ‐ぶんせき【元素分析】

読み方:げんそぶんせき

有機化合物作っている元素炭素水素窒素などの種類割合調べるために行う化学分析


元素分析

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/02 01:21 UTC 版)

元素分析(げんそぶんせき)は、化学物質を構成する元素の種類と構成比率を決定する手法のことをいう。

化学物質はすべて元素からできているので、構成する元素の種類と量を決定することはきわめて重要である。元素分析には様々な方法が存在するが、有機合成の分野では以下に記す燃焼法(燃焼分析)を指すのが一般的である。また、無機化合物には、主にICP-AES(原子発光分析法)、ICP-MS(質量分析法),ESCASIMSEPMAなどの手法が用いられる。

有機物

有機物の精密な元素分析には、リービッヒデュマプレーグルらによって開発された燃焼法が一般的に用いられる。まずサンプルを酸素を混合したヘリウム気流下で、高温に加熱し(酸化炉)、構成元素のうち炭素CO2窒素NOx硫黄SOx水素H2Oに変換する。このガスを別の炉(還元炉)に移し、Cu存在下加熱するとNOxが還元されてN2となる。このCO2、N2、H2Oを定量することによって、それぞれの元素の比率を算出する。したがって酸素は直接測定できない。また、燃焼して気化しない元素は灰分として残る。

燃焼法による元素分析には数mg程度の量が必要な上、燃焼させた試料は失われるため、貴重な物質の分析には向いていない。しかし、アメリカ化学会の発行する雑誌に新たな有機化合物を発表する場合は、0.4%以内の誤差で計算値と一致する元素分析のデータを添付しなければならない。そういった場合は、高精度の質量分析データ (HRMS) と、NMRスペクトルやクロマトグラフィーなどの純度を示すデータを、ともに提出する方法が、燃焼法の代わりに用いられる。

無機物

溶液

  • ICP-AES,ICP-MSはほぼあらゆる元素を高感度で分析することができるが、一般に溶液でないと測定できない。
  • AASは一般にICPより微量域で高感度であるが、高濃度域で感度低下を生じる。試料を溶液にしないと測定できない。

固体

  • ESCAはあらゆる元素を検出できるが、試料は固体に限られ、また定量性もあまりよくない。
  • EPMA (EDX、WDX) は、B以降より重い元素について分析可能であり、重元素になるほど高感度・高精度になる。またX-Y方向で元素濃度のマップを描くことも可能である。試料は固体に限られる。
  • スパーク放電OESは微量元素には高感度であり、且つ多元素を同時に測定できるが、高濃度域では感度低下を示す。導電性のある固体でないと測定できない。
  • SIMSは非常に高感度であり、同位体の分析も可能である。また深さ(Z)方向に元素濃度のプロファイルを描くことも可能である。しかし、X-Y方向で元素マップは作成できず、元素のフラグメンテーションについての経験と知識が必要である。

元素分析

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 07:02 UTC 版)

「かぐや」の記事における「元素分析」の解説

蛍光エックス線分光計 太陽から放射されるX線によって月面元素放つ蛍光X線捉えることで、月における元素分布調べ装置ガンマ線分光計 銀河宇宙線降り注ぐことにより月面から放射されるガンマ線や、天然放射性元素から放出されるガンマ線捉えることで、月面におけるチタンマグネシウムアルミニウムカリウムトリウムウランカルシウム珪素酸素、及び域の水素といった元素分布調べ装置

※この「元素分析」の解説は、「かぐや」の解説の一部です。
「元素分析」を含む「かぐや」の記事については、「かぐや」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「元素分析」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「元素分析」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



元素分析と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「元素分析」の関連用語

元素分析のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



元素分析のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの元素分析 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのかぐや (改訂履歴)、放射化学 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS