景気悪化と ESRI による見通し
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/13 14:39 UTC 版)
「ケルトの虎」の記事における「景気悪化と ESRI による見通し」の解説
ESRI は2008年6月24日に、2008年のアイルランド経済がわずかながらもマイナス成長となる見通しを示していたが、CIA The World Factbook によると2008年のアイルランドの GDP 成長率はマイナス3%となり、1983年以来のマイナス成長となった。また ESRI は2008年の経済見通しで、商品やサービスの生産が落ち込み、アイルランドは緩やかな景気後退となることを示した。ESRI は2009年から2010年にかけて景気が回復すると予想している。2008年9月、アイルランドはユーロ圏諸国ではじめて景気後退に突入した。アイルランド中央統計局による統計で不動産バブルの破裂と消費者支出の急落が明らかとなり、景気後退と「ケルトの虎」の終焉がはっきりと示された。 2008年の第2四半期における GDP は、前年同時期と比べて0.8%のマイナスとなり、2四半期連続でマイナス成長となったことで景気後退が明確なものとなった。アイルランドの景気後退は1983年以来で、経済は成長の落ち込みで打撃を受け、またエコノミストは内需の落ち込みと輸出の伸び悩みから経済成長のマイナス幅が拡大して、2009年は不景気が深刻化すると予測している。2008年11月、ホットプレス誌のインタビューで、アイルランドの首相であるブライアン・カウエンは多くの国民がいまだにどれだけ財政が悪化しているということに気づいていないとして、「来年は世界的にきわめて困難な年となるだろう。私たちが耐え抜けると思えないような金融不安に苛まれているのだ」と述べている。 アメリカ合衆国大統領バラク・オバマは選挙運動中に、他国に流出したアメリカの職や利益を戻すための法律の策定を公約した。この法律が成立すれば、アメリカの資本に大きく依存しているアイルランド経済にとって深刻な状況をもたらしかねない。 2009年1月30日、クレジット・デフォルト・スワップの価格でギリシャのソブリン債を上回ったことで、アイルランドの政府債はユーロ圏でもっともリスクが大きいものとなった。 2009年2月、カウエンは2009年のアイルランド経済について6.5%収縮するという見通しを示している。
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