早晩性
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/02/20 10:07 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動早晩性(そうばんせい)とは、作物・品種ごとの収穫期となるまでの栽培期間についての特性[1]。実際には温度や日長と言った環境条件によって変化し相対的に決定されるため相対指標である[1][2][3]。
種類
作物の早晩性については、早生(わせ、そうせい)、中生(なかて、ちゅうせい)、晩生(おくて、ばんせい)に分類され[3][4][5]、より細かく分類される場合には、極早生、早生、中生、晩生、極晩生[1]、または、極早生、早生、中早生、中晩生、極晩生(大晩生)と分類される[3][4][6]。
- 早生
- 早生とは、作物の収穫時期となるのが中生よりも早い品種[3][7]。細かく分類される場合には極早生よりも収穫時期の遅いものを指す[7][8]。早生の品種を早生種あるいは早生品種という[7]。英語表記ではearly flowering または early maturing もしくは early ripening[3]。
- 中生
- 中生とは、作物の収穫時期が早生よりも遅く晩生よりも早い品種[4]。英語表記ではmedium flowering または medium maturing もしくは medium ripening[4]。
特性
一般的には生育期間が長いほど収量は高くなるため、晩生の品種ほど収量は高く早生の品種ほど収量は低くなる[1] [2][7][10][11]。しかし、高冷地の夏作物や収穫期が梅雨や台風などの時期と重ならないよう災害を回避するために栽培される場合には早生の品種のほうが有利であり[1][2][7]、生育期間が長く大雨や低温といった気象条件の影響を受けると減収や収穫作業の困難を生じる場合がある[10]。
早生の品種と晩生の品種を組み合わせることで収穫期を変えることができ、自然災害のリスクの分散などによって、作柄を安定させることが可能となる[1]。
脚注
- ^ a b c d e f 農業・生物系特定産業技術研究機構編『最新農業技術事典』農山漁村文化協会 p.874 2006年
- ^ a b c 日本作物学会編『作物学用語事典』農山漁村文化協会 p.196 2010年
- ^ a b c d e 『丸善食品総合辞典』丸善 p.1180 1998年
- ^ a b c d 『丸善食品総合辞典』丸善 p.780 1998年
- ^ a b c 『丸善食品総合辞典』丸善 p.160-161 1998年
- ^ a b 『丸善食品総合辞典』丸善 p.161 1998年
- ^ a b c d e 農業・生物系特定産業技術研究機構編『最新農業技術事典』農山漁村文化協会 p.1663 2006年
- ^ 農業・生物系特定産業技術研究機構編『最新農業技術事典』農山漁村文化協会 p.516 2006年
- ^ 『丸善食品総合辞典』丸善 p.160 1998年
- ^ a b 農業・生物系特定産業技術研究機構編『最新農業技術事典』農山漁村文化協会 p.199 2006年
- ^ 農業・生物系特定産業技術研究機構編『最新農業技術事典』農山漁村文化協会 p.517 2006年
晩生種
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ナポレオン ヨーロッパ各国で栽培されている品種。名前はナポレオン・ボナパルトに由来し、彼の死後にベルギー王が命名したという。収穫時期は6月下旬。佐藤錦の受粉木として一緒に栽培されることが多い。完熟した果実は通好みとされ、非常に美味しい。海外ではロイヤル・アンの名称で呼ばれる。 紅秀峰(べにしゅうほう) 収穫時期は7月上旬。果実は大きく糖度は高く、豊産性で非常に優秀な品種。佐藤錦を種子親、天香錦を花粉親にして交配しており、1991年に品種登録された。 紅ゆたか 山形県園芸試験場において、1980年にビックと佐藤錦の交雑によって育成した品種。2000年に品種登録された。果実は極めて大きく、硬く、日持ちが良い。糖度は20度以上で甘く、果汁も多い。 天香錦 1960年に発見された偶発実生から育成された品種。果実の日持ちが非常に良く、果肉は硬い。1965年に命名。 紅てまり 南陽 収穫時期は7月上旬。(北海道は中旬以降)ハート形の断面の大型の果実で食味も優れる。他品種との開花が揃い、受粉環境の向く北海道で多く生産される。 大将錦 月山錦(がっさんにしき) 収穫時期は6月中旬から7月下旬。元々は中国の大連で育成され、日本に持ち込まれた品種。色は黄色でとても甘いが、栽培が難しく、市場への流通はきわめて少ない。
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